2024年度(令和6年度)都立国際高校自校作成問題・英語大問4解説

2024年度(令和6年度)都立国際高校自校作成問題・英語大問4解説

こんにちは!都立自校作成校受験対策専門塾・誠学会の諏訪孝明です。

この記事では、2024年2月に行われた都立国際高校の自校作成問題の英語・大問4物語文の問題を解説します。

都立自校作成校受験生のうち、
・国際高校の英語長文のレベルを知りたい
・国際高校を志望しているが、長文読解の対策に苦労している
国際高校を受験する予定はないが、レベルの高い問題で万全な対策をしたい

といった方におススメです。

一度自力で解いてみてから以下の解説を読むことを強くお勧めします。

2024年度の都立国際高校の過去問解説のその他の大問は以下からご覧ください。

では解説を始めていきます。

本文

第1段落

be good at

What are you good at? あなたは何が得意ですか?

「~が得意」という意味の熟語です。

practice for A

practice for the interview  そのインタビューに向けて練習する

この場合のforは「目的」です。

not A but B

she was just OK, not great, at everything.  彼女はすべてにおいてまあまあで、 優れている分野はない。

not A but B(AではなくB)の、
・「not A」と「but b」の順番を入れ替えた
・butを省略した
というものになっています。
この場合でも、not A but BのAとBが対比構造をつくりますので読解の際はそこに注意しましょう。

not…any…

she didn’t have any special talents. 彼女には、特別な才能は何もありませんでした。

not+anyで全否定になります。

第4文型

teacher gave her some advice 先生が彼女にいくつかのアドバイスをした。
S     V   O1   O2

第4文型は、
・Vの意味は「与える」
・O1≠O2
・O1に「与える相手」、O2に「与えるモノ・内容」
という特徴の表現です。
読解でも英作文でも使いこなせるようにするために、第4文型をとる文に出会ったら「この動詞は第4文型をとれるんだな」と認識しておくようにしましょう。

命令文+and SV/step out of/comfort zone

Step out of your comfort zone, and you will find your answer.
コンフォートゾーンから出なさい。そうすれば答えが見つかりますよ。

命令文+and SV:~しなさい。そうすればSV(好ましい結果)ですよ。
step out of A:Aの外へ出る
comfort zone:コンフォートゾーン。その人が慣れ親しんでいてストレスや不安を感じずに過ごせる、心理的な安全領域のこと。

agree with A

Wakako had to agree with this.  ワカコはこれに同意せざるを得なかった。

agree with A:Aに賛成する

so 形容詞 that SV

she was so shy that SV 彼女はSVするくらい内気だ。

so 形容詞 that SV は、「形容詞」の程度を表す表現です。
なお、「形容詞」を原因で「SV」を結果と訳すと自然になる(「形容詞」なので「SV」)ことも多いです。

how to V

she didn’t know how to change~   彼女は~を変える方法を知らなかった。

how to V:Vする方法(Vのやりかた) 

第2段落

hold

hold the sports festival 運動会を開催する

holdには「開催する」という意味があります。

take part in

students take part in games. 生徒たちが試合に参加する。

「take part in」は「参加する」という意味の熟語です。

such as 名詞

sports games such as a relay リレーのようなスポーツの試合

「such as」の直後には具体例がきます。

関係代名詞whichの省略/現在完了形

something I have never done before  私がこれまでにやったことがないこと

目的格の関係代名詞which(which節の目的語がないもの)は省略が可能です。
これが成立する条件は以下のとおりです。
①名詞が2つ並ぶ
②2つめの名詞が動詞の主語である
③動詞の後ろにOが不足している

これを逐一確認することを習慣にすると、あるときにwhichの省略を感覚的に処理することができるようになります。

現在完了形には①完了②経験③継続の3つの用法があります。
どの用法で使われているのかを意識することを習慣にすると、現在完了形への理解度が高まります。
直前期やテスト本番はそんな時間はないかもしれませんが、練習では意識してみましょう。
今回は「never」(回数を表す表現)があるので②経験の用法で使われています。

第3段落

decide to V

decided to join 参加することを決める

decide to V:「Vすることを決める」

S ask 人 to V

classmates asked Wakako to join the group 同級生たちがワカコにそのグループに参加することを求めた。

動詞askの語法です。
「Sが人にVするよう依頼する」という意味になります。
長文で頻出の表現です。

while

接続詞です。
「while S V」で①「SがVしているあいだ」②「SはVだけれども」(逆接⇒対比)
となります。
②が特に重要です。対比構造をつくるので文章の構造を理解する際に重要です。

wonder

「不思議に思う」という意味の動詞です。

同格のカンマ(,)

Momi, one of her close friends 彼女の仲がいい友人の1人であるモミ

といったかたちでカンマの前後が同格の関係(=という記号で結ぶことができる関係)になっています。

why don’t you ~ ?

提案やアドバイスをする際に用いる表現です。

現在完了形

I have already decided to join it. 私はすでにそれに参加することに決めた。

現在完了形には①完了②経験③継続の3つの用法があります。
今回は「already」があるので①完了の用法で使われています。

be sure that SV

「SV」だと確信している、という意味です。
(否定文であれば、「SVであるという確信ができていない」という意味です。)

enjoy Ving

「Vすることを楽しむ」という意味の熟語です。

agree to V

「Vすることに賛成する」という意味の熟語です。
英作文でとても便利な表現です。

第4段落

about

about twenty students 約20人の生徒

副詞のaboutは「約」「およそ」という意味になります。

even

even on weekends   週末にさえ(休日であるはずの週末にさえ学校に登校して作業をしたという文脈)

evenは何かを強調するときに使う表現です。

不定詞の副詞的用法

to make the banner 垂れ幕をつくるために

不定詞の副詞的用法は原則として「目的」を表します。
「~するために」と訳します。

because

因果関係をつくる接続詞です。
「結果 because 原因」となります。

S feel C

Wakako felt nervous ワカコは緊張した

S feel Cは「SはCだと感じた」という意味です。

get ready to V

「Vする準備ができている」という意味の熟語です。

仮定法

I wish I had some close friends here. ここに仲の良い友人がいればなあ(いないのが嫌だ)

仮定法は、事実とは異なる内容について述べることによって事実に対する嘆き・後悔・変えたいという願望などを表現する文法事項です。
長文読解の記事なので詳細には言及しませんが、時制に注意しましょう。

第5段落

need to V/don’t need to V

she didn’t need to worry~ 彼女は~を心配する必要がなかった

need to Vは「Vする必要がある」という意味で、否定文にすると「~する必要はない」となります。
ニュアンスとしては、「~しなきゃいけないと思っているんだろうけど、実際にはそれをしなくても大丈夫だよ。」というものになります。

notice/in trouble

Wakako noticed that Shota was in trouble.  ワカコはショータが困っていることに気づいた。

notice:~に気づく
in trouble:困っている
という意味です。

after a while

「しばらくして」という意味の熟語です。

感情+to V

She was excited to find a solution 彼女は解決策を見つけたので興奮した

感情を表す表現に続くto V(不定詞)は、その感情になった理由を表します。
これは、「都立高校入試英語頻出事項ベスト5」(諏訪調べ)に入るくらい頻出です。
今、必ず覚えてください。

仮定法

If I were a braver, I would help him. もし私がもっと勇敢だったなら、彼を助けることができるのに。(勇気がほしい。)

先ほども述べた通り、仮定法は事実とは異なる内容について述べることによって事実に対する嘆き・後悔・変えたいという願望などを表現する文法事項です。今回もそうなっていることを確認しておいてください。

第6段落

Though SV, S’V’

「SVだけれども、S’V’である」という意味です。
逆接は対比構造をつくります。
読解の際は特にそこに気をつけましょう。

start to V

「Vし始める」という意味です。

in front of A

「Aの前」(人や建物の物理的な位置関係)を表します。

感嘆文

What a strong tiger! なんて強い虎なの!

「What + 形容詞+名詞 + 主語 + 動詞+!」という語順で驚きを表現します。
今回は「主語+動詞」の部分が省略されています。

第7段落

do one’s best

do her best 彼女のベストをつくす

do one’s best:~のベストを尽くす
という意味の熟語です。

admire

「褒める」という意味です。

embarrassed

「恥ずかしい」「気まずい」という意味です。

communicate with A

「Aとコミュニケーションをとる」という意味です。

第8段落

Through A

「Aを通して」という意味で、原因を表すこともできます。

immediately

「すぐに」「直ちに」という意味です。

第9段落

look forward to 名詞

She is looking forward to the sports festival 彼女は運動会を楽しみにしています

「look forward to 名詞」は「~を楽しみにしている」という意味です。

certainly

「確かに」「間違いなく」という意味です。

設問

問1

気持ちを答える問題である⇒傍線部直後に「She was relieved.」(彼女は安心した)がある⇒それがそのまま書いてあるウが正解

問2

仮定法が、「後悔」「嘆き」「現状を変えたい」といった心情を表現する文法事項であることに注意できるかどうかを問うている問題です。
もし私がもっと勇敢だったなら、彼を助けることができるのに
⇒実際には、臆病なせいで彼を助けることができない
⇒それができる勇気がほしい
という流れです。

ということで、正解はイになります。

垂れ幕の絵を改善するために何をしたか
⇒傍線部の3行下に「add shadows to paintings」とあるのでこれを選びます
⇒エが正解です

問3

「At first」(最初は)⇔「later」(後になると)
の対比構造への注目を問う問題です。
主人公であるワカコの、この文章内での変化について答えます。

最初:得意=誰よりも才能があるということを指す
最後:得意=夢中になれるかどうか、楽しめるかどうか
という変化が傍線部の直後から始まる第8段落で書かれています。
これを答えます。
よって、
①はアとウが正解、②はイとウが正解
よって、ウが正解となる。

問4

この問題もワカコの変化に注目させる問題です。
ワカコはシャイでしたが、ショータへのアドバイスをきっかけにして他人と関わるようになりました。
そして、誇りや満足感といった感情を得ていきました。

よって、ア(他のメンバーと話すのを楽しむことができなかった)が間違いです。

問5

内容一致の問題です。

ア:◯
イ:即答した⇒×(wondering how to answer them)
ウ:数ヶ月以上を費やす⇒×(less than a month)
エ:モミは垂れ幕づくりに参加していなかった⇒×(I’ve already decided to join it)
オ:ワカコがアドバイスをすると決めたときに⇒×(Wakako decided to say nothing to Shota)
カ:◯

今回は以上です。
最後までお読みくださりありがとうございました。

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