2024年度(令和6年度)都立西高校自校作成問題・英語大問2解説

2024年度(令和6年度)都立西高校自校作成問題・英語大問2解説

こんにちは!都立自校作成校受験対策専門塾・誠学会の諏訪孝明です。

この記事では、2024年2月に行われた都立西高校の自校作成問題の英語・会話文の問題を解説します。

自校作成校受験生のうち、
・本文を読んだり設問を解いたりするのに時間がかかり、制限時間をオーバーする
・本文は読めるけど設問が解けない
・過去問演習の後、自分の読み方・解き方や理解・解釈が合っているのかどうかを確認したい

といった方におススメです。

なお、自校作成英語の注意点等はこちらにまとめております。
今回の解説に先んじて読んでおいていただくと理解が深まります。
是非読んでみてください。

また、一度自力で本文を読み設問を解いてから読むことを強くお勧めします。

2024年度 都立西高校の英語のその他の大問は以下のリンクをご覧ください。

では解説を始めていきます。

本文

during+名詞

during spring break 春休みのあいだ

「~しているあいだ」という意味のフレーズです。

同格のカンマ(,)

a university student, Grace 大学生のグレースさん

といったかたちでカンマの前後が同格の関係(=という記号で結ぶことができる関係)になっています。

第4文型

show them her laboratory   彼らに研究室をみせる
V  O1      O2

第4文型は、
・Vの意味は「与える」
・O1≠O2
・O1に「与える相手」、O2に「与えるモノ・内容」
という特徴の表現です。
読解でも英作文でも使いこなせるようにするために、第4文型をとる文に出会ったら「この動詞は第4文型をとれるんだな」と認識しておくようにしましょう。

現在完了形/in front of A

They have just met in front of her laboratory. 彼らは彼女の研究室の前で会ったばかりである。

現在完了形には①完了②経験③継続の3つの用法があります。
どの用法で使われているのかを意識することを習慣にすると、現在完了形への理解度が高まります。
直前期やテスト本番はそんな時間はないかもしれませんが、練習では意識してみましょう。
今回は「just」があるので①完了の用法で使われています。

「in front of A」は「Aの前」(人や建物の物理的な位置関係)を表します。

thank you for Ving

thank you for coming  来てくれてありがとう

thank you for Vingは「Vしてくれてありがとう」という意味です。
forには「理由」を表す用法があることを覚えておきましょう。

感情+to V

I am so happy to be here! ここに来ることができて嬉しい!

感情を表す表現に続くto V(不定詞)は、その感情になった理由を表します。
これは、「都立高校入試英語頻出事項ベスト5」(諏訪調べ)に入るくらい頻出です。
今、必ず覚えてください。

感情+that SV/接続詞thatの省略/指示語の具体化

I am glad (that) you think so. あなたがそう考えてくれて嬉しいです。

感情を表す表現に続くthat SVは、その感情になった理由を表します。
これも暗記必須です。
また、接続詞thatは度々省略されます。
慣れないうちは意識できると良いです。
指示語が出てきたら、具体化しながら読みましょう。
ここでは、「研究室(のなかの様子)がとってもかっこいい」といった内容です。

would love to V

I would love to be an engineer 私はエンジニア(技術者)になりたい

would love to V≒would like to V≒want to V

すべて「Vしたい」という意味です。
「would love to V」は、likeではなくloveという言葉を用いることで「やりたい」という気持ちの強さを強調しています。
読解では、

強調されているところは重要⇒設問において使用されやすい

という法則があります。
今回の問題でも、「サヤは技術者志望」という事実が問題を解き進めるときに重要な情報となります。

接続詞の省略/感情動詞の用法

I hope (that) you are not disappointed!  あなたががっかりしていないといいんだけど。

接続詞の省略については、先ほど紹介した通りです。
感情動詞の用法として、
・人(その感情になった人)が主語なら「S is Vpp(過去分詞)」のかたちをとります。
・原因(その感情にさせた原因・要素)が主語なら「S(原因) V O(人)」(例:That news surprised me.)のかたちをとります。

これは英作文で中学生がよく間違えるポイントなので必ず覚えておきましょう。

materials engineering

materials engineering 材料工学

耳慣れない単語ではありますが、注がついています。
ここで意識してほしいのは、「材料工学ってなんだ?」ということです。
これから英語学習のレベルが上がっていくと、「英単語の意味となっている日本語の意味が分からない」という事態に多く直面します。
そういうときに、きちんと調べて日本語の語彙力を高めましょう。
特に、今回のような学問に関する言葉ではそれが必須です。
なぜならば、それらに対する知識が皆さんの進路選択にいずれ役に立つからです。

材料工学:新たな材料を生み出すことや、それらを活用するための技術を開発・研究する学問

です。

名詞節になるhow節

I learn how to develop materials.   私は材料を開発する方法を学んでいます。

節とは、「主語と述語を含むカタマリ」のことです。
how節は「~する方法、どうやって~するか」といった意味になります。

分詞

materials inspired by living things 生き物からヒントを得た材料

分詞は名詞を説明する役割(形容詞と同じ役割)をします。
名詞の直後にあるVingやVpp(過去分詞)には要注意です。

分詞

products using such materials around us 私たちの周りにあるそのような材料を用いた製品

分詞の例をもう1つ紹介しておきます。
Vingから始まるカタマリが直前の名詞を説明しています。

現在完了形

I have heard about the swimsuits before. 私は以前、その水着について聞いたことがあります。

現在完了形には①完了②経験③継続の3つの用法があります。
今回は「before」があるので②経験の用法で使われています。

S tell 人 about 内容

My friend told me about them. 友人がそれについて私に教えてくれました。

tellという動詞の語法(使い方)です。
動詞の語法を把握していると、①長文を読むのが早くなる②英作文が書きやすくなる
といったメリットがあります。
都度覚えていきましょう。

第4文型

shark skin gives swimmers the power to do that. サメの肌がそれをやるパワーを与えてくれる。

第4文型は、
・Vの意味は「与える」
・O1≠O2
・O1に「与える相手」、O2に「与えるモノ・内容」
でしたね。

指示語の内容が直前にはないケース

May be this can help. Look at the picture on my computer. これが役に立つかもしれません。私のパソコンの(画面に映っている)写真を見てください。

この場合、「これ」は「私のパソコンの画面に映っている写真」を指します。
このように、指示語の内容が直前にはないケースというのがあります。
多いのは、「こちらの○○をご覧ください。こちらは…です。」といった感じで誰かに説明やプレゼンをする場面に多いです。

help+動詞の原形

these grooves help reduce water resistance. これらの溝が水の抵抗を減らしてくれる。

helpは目的語に動詞の原形をとり、「Vすることを助けてくれる」といった意味になります。

接続詞so

So they can swim fast!  (直前の内容を受けて、)それでサメは速く泳げるんだね!

「原因+so+結果」の形で因果関係をつくります。
因果関係は設問に関わってきやすいので、文章を読む際には注意してください。

make sense

that makes sense. 納得しました。

熟語です。「意味をなす、納得がいく、筋が通っている」といった意味です。
「なるほど」と訳しておけば大丈夫な場合が多いです。

名詞節になるwhy節

I understand why we can swim fast. なぜ私たちが速く泳げるのかが分かりました。

節とは、「主語と述語を含むカタマリ」のことでしたね。
why節は「~する理由、なぜ~するのか」といった意味になります。

Now+比較級

Now rules are stricter. 今は(昔と比べて)ルールが厳しくなった。

比較級がある場合、「何と何を比べているのか」を必ず意識する必要があります。
通常、それは「than+○○」というかたちで明示されます。
ただし、明示されないケースもあります。
その場合、昔と今を比べて変化を述べている場合がほとんどです。
今回の場合、文頭にNow(今)という言葉があるのでそれに気づきやすくなっています。

thanks to 名詞

S is clean thanks to the grooves. Sは溝のおかげで清潔だ。

「~のおかげで」という意味の熟語です。
因果関係をつくります。
英作文でもとても重宝する表現です。

because of 名詞

barnacles don’t stick to shark skin because of the grooves. その溝が原因で固着性甲殻類がサメの肌にくっつかない。

因果関係をつくります。
英作文で必須となる表現です。
必ず使いこなせるようにしてください。

such as 名詞

living things such as whales クジラのような生き物

「such as」の直後には具体例がきます。

not…any…

I cannot imagine anything. 私は何も想像できません。

not+anyで全否定になります。

不定詞の形容詞的用法

We have a lot of things to learn from shellfish. 私たちは、貝から学ぶことがたくさんあります。

不定詞の形容詞的用法とは、「名詞+to V」のかたちで「to V」が直前の名詞を説明しているものを指します。
「something to drink」がもっとも有名な例です。

by Ving

by using it それを使うことによって

ここでのbyは手段を表しています。

different from A

Mussel adhesives are different from other kinds of adhesives. ムラサキガイの接着剤は他の種類の接着剤とは異なります。

この表現は対比構造をつくります。
対比構造は文章の論理構造のなかで最も重要なものの1つです。
対比構造をつくる表現をみたら「ここに対比構造があるな」と意識できるようにしておきましょう。

but(逆接の接続詞)/in dry conditions ⇔in water

逆接の接続詞は対比構造をつくります。
ここでは、「乾いている場所」⇔「水の中(濡れている場所)」という対比構造があります。

not only A but B

Not only that but doing this is good. それだけでなく、これをやるのもいい。

「AだけでなくBも」という意味で、ほとんどの場合Bの重要性を読者に伝えるために使われます。

because

因果関係をつくる接続詞です。
因果関係の重要性は先ほど伝えた通りです。

when

When we learn from living things, we can make things. 生き物から学べば、私たちはモノを作ることができる。

「when」は「~とき」と訳すと習うのですが、長文読解では「条件」を示す接続詞として用いることが多いです。
つまり「もしSがVしたら」と訳したほうが分かりやすい場合が多いということです。

関係代名詞thatの節

things that are good for humans 人間にとって良いモノ

関係代名詞thatの節は直前の名詞の説明をします。つまり、形容詞と同じ役割をします。
また、関係代名詞thatの節は主語や目的語が1つ足りない不完全なかたちをとっています。

not only A but also B

「AだけでなくBも」という意味です。
これもほとんどの場合Bの重要性を読者に伝えるために使われます。

need to V/don’t need to V

you don’t need to work alone. あなたは一人で働く必要はない。

need to Vは「Vする必要がある」という意味で、否定文にすると「~する必要はない」となります。
ニュアンスとしては、「~しなきゃいけないと思っているんだろうけど、実際にはそれをしなくても大丈夫だよ。」というものになります。

S ask 人 to V

You can ask other engineers to help you. あなたは他の技術者に助けてもらうようお願いすることができる。

動詞askの語法です。
「Sが人にVするよう依頼する」という意味になります。
長文で頻出の表現です。

仮主語it

it becomes quicker and easier to think of new inventions 新しい発明を思いつくのがより速く、簡単になる。

この文では、主語のit=to think of new inventions になっています。
主語のitが何を指しているかわからない場合、その文の後続の「to V」がitの内容であることがあります。

really(強調)

working together is really important 共働することは本当に大事なことです。

ここでのreallyはimportantの度合いを強調しています。
さきほど

強調されているところは重要⇒設問において使用されやすい

と言いましたが、ここで強調されている「皆で協力して働くことは大事」というのは設問でも活用します。

why don’t we

「why don’t we」=「shall we」=「let’s」

つまり、全部勧誘する表現です。

sounds good

いいね!

という意味です。
全面的な賛意を意味します。

設問

問1

空欄の直後が「it’s not!」(違います、そうではないです)となっています。
したがって、疑問文は候補から消えます。
また、オの「私にはわかりません」も意味が通りません。
したがって、ウとなります。

空欄の直後の「Do you」 は「Do you (動詞)」の動詞が省略されたかたちです。
よって、直前の内容(つまり空欄b)の動詞に対して、「そうなの?」と質問しているということです。
ということは、疑問文は候補から消えます。
ということでオとなります。

「サメの肌に興味がある」⇒「空欄C」⇒「サメの肌は常に清潔」
となっているのでCには「なぜサメの肌に興味を持つのか」が入ると考えられます。
イです。

「他とは違う」⇒「空欄d」⇒「水のなかでもくっつく」
となっているので、dには「何が違うの?」「どう違うの?」という内容が入りそうです。
エです。(アにならないのは、空欄eがアでないと成立しないからです。)

「他にも重要なことがある」⇒「空欄e」⇒「一緒に働くことが重要」
となっているので「他の重要なことって何?」という内容になります。
アです。

問2

まずは選択肢の品詞を見ていきましょう。
ア:名詞
イ:動詞の原形
ウ:不定詞または前置詞をして使う
エ:名詞の数を示す
オ:不定詞⇒名詞、形容詞、副詞の用法がある
  be動詞⇒①SV②SVC③進行形(be+ing)④受け身(be+過去分詞)
カ:①動詞の過去形②完了形③have to
キ:過去分詞
ク:①接続詞②副詞③代名詞 

次に文脈を確認しましょう。
・エンジニアとして知っておくべきことがいくつかある
・発言者のサヤはエンジニア志望
⇒知っておくべきことがたくさんあるんですね(大変そうだな)
という内容になることが予想できます。

上記2つを踏まえると、
「to become an engineer」(エンジニアになるために)
「so many things」(そんなにたくさんのこと)
「had to be done」(やらなくてはならない)
の3つのカタマリがつくれます。
これらを文になるように(文型として破綻がないように)組み立てると
「so many things had to be done to become an engineer」となります。

問3

A

①サヤはがっかりした⇒本文中にない描写⇒×
②プラスチックや木などを⇒本文で扱われているのは生物が由来の材料⇒×
③本文にある内容⇒〇
④フジツボなどがサメにくっつく⇒本文と真逆の内容⇒×

B

①日本の調査員だけ⇒そのような言及はない⇒×
②本文にある内容⇒〇
③有機スズ化合物を含んでいるから環境にやさしい⇒有機スズ化合物は環境に悪いと書いてある⇒×
④本文にある内容⇒〇

問4

サメの肌をもとにつくった水着⇒これは生物からインスパイアされた材料を使った製品の(a)である。
(a)は実例、つまりexample

by Ving⇒Vすることによって⇒水着をVすることによって速く泳げる⇒着ること(身に着けること)=wearing

本文からeco-friendlyを探す⇒その前後に「we learn from living things」⇒答えはlearinig

d

「互いに助け合う」について述べている箇所を探す⇒quicker and easier⇒空欄はeasily

今回の解説は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事があなたの成績アップや合格に役に立てば幸いです。

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