2024年度(令和6年度)都立西高校自校作成問題・英語大問3解説

2024年度(令和6年度)都立西高校自校作成問題・英語大問3解説

こんにちは!都立自校作成校受験対策専門塾・誠学会の諏訪孝明です。

この記事では、2024年2月に行われた都立西高校の自校作成問題の英語の大問3の説明文の問題を解説します。

自校作成校受験生のうち、
・長い説明文を読むのに慣れていない
・本文は読めるけど設問が解けない
・過去問演習の後、自分の読み方・解き方や理解・解釈が合っているのかどうかを確認したい

といった方におススメです。

なお、自校作成英語の注意点等はこちらにまとめております。
今回の解説に先んじて読んでおいていただくと理解が深まります。
是非読んでみてください。

また、一度自力で本文を読み設問を解いてから読むことを強くお勧めします。

2024年度 都立西高校の英語のその他の大問は以下のリンクをご覧ください。

では解説を始めていきます。

本文

第1段落

even

Even small children can create …  小さな子どもでさえつくることができる

evenは何かを強調するときに使う表現です。

ここでは、「小さな子どもでもできる」⇒難易度の低さを強調しています。

by Ving

ここでのbyは手段を表しています。

however

逆接の接続語です。(接続詞ではなく副詞です。)

逆接の接続語の前後は対比構造になるので注意しましょう。

than A

この語句は「Aよりも」という意味で、比較の文で使われます。
何かと何かを比べるときに使う表現ですので、対比構造をつくります。

ここでは、「折り紙は簡単なもの」⇔「折り紙は技術革新をもたらすもの(奥が深いもの)」
という対比構造です。

不定詞の形容詞的用法

the power to innovate technology  技術を革新する力がある

不定詞の形容詞的用法とは、「名詞+to V」のかたちで「to V」が直前の名詞を説明しているものを指します。
「something to drink」がもっとも有名な例です。

space science

宇宙空間を研究対象とする学問です。
天文学や宇宙物理学、惑星科学といった学問が含まれます。

第2段落

wonder

「不思議に思う」という意味の動詞です。

how節

節とは、「主語と述語を含むカタマリ」のことです。
how節は「~する方法、どうやって~するか」といった意味になります。

Have you ever ~ ?

現在完了形には3つの用法があります。
①完了②経験③継続です。
これら3用法のうち、②経験の有無や回数を尋ねるのが「Have you ever ~ ?」です。

surprising

surpriseのような感情動詞は用法に注意が必要です。
・人(その感情になった人)が主語なら「S is Vpp(過去分詞)」のかたちをとります。
・原因(その感情にさせた原因・要素)が主語なら「S(原因) V O(人)」(例:That news surprised me.)のかたちをとります。
・モノの性質を説明するときは「surprising」を使います。(例:That news is surprising.)

不定詞の副詞的用法

不定詞の副詞的用法は原則として「目的」を表します。
「~するために」と訳します。

a piece of paper

「一切れの紙」という意味です。

「a cup of tea」(一杯のお茶)が有名ですが、ofには分量を表す用法があります。

such as 名詞

「such as」の直後には具体例がきます。

第3段落

a key to A

「Aのためのカギ」という訳になります。
ここでいう「カギ」とは手がかりや解決策という意味です。

S need to V

「SはVする必要がある」という意味です。

enough to V(不定詞の副詞的用法の例外)

enough to keep 維持できるくらいの

不定詞の副詞的用法は原則として「目的」で訳します。
しかし、「enough to V」の場合の「to V」は「Vするくらい」(程度)で訳します。

make O C

make the impossible possible 不可能を可能にする

makeの第5文型の用法です。
「S make O C」で「SによってOがCにある」と訳すと自然になることが大半です。

thanks to A

「~のおかげで」という意味の熟語です。
因果関係をつくります。
英作文でもとても重宝する表現です。

第4段落

make O C/不定詞の副詞的用法

To make this possible, 「これを可能にするために」
どちらも既に解説した表現ですね。合わせ技になっているので紹介しておきます。

while

接続詞です。
「while S V」で①「SがVしているあいだ」②「SはVだけれども」(逆接⇒対比)
となります。
②が特に重要です。対比構造をつくるので文章の構造を理解する際に重要です。

prepare to V

prepare to launch 発射する準備をする

「Vする準備」という意味です。

関係代名詞that

関係代名詞thatの節は直前の名詞の説明をします。つまり、形容詞と同じ役割をします。
また、関係代名詞thatの節は主語や目的語が1つ足りない不完全なかたちをとっています。

第5段落

not only A but also B

not only in Japan but also around the world  日本だけでなく世界中で

「AだけでなくBも」という意味で、ほとんどの場合Bの重要性を読者に伝えるために使われます。

during

during summer 夏のあいだ

「~しているあいだ」という意味のフレーズです。

as

As the name shows,  名前が示している通り、

asには接続詞と前置詞があります。
ここでは接続詞として使われているので、接続詞のasの用法について紹介します。

後続の文が完全文のときは時・理由、不完全文のときは様態(「~のように、~どおりに」)で訳すと良いです。

similar to A

similar to a parasol 傘に似ている

「Aに似ている」という意味です。

仮主語のit

it is not possible to see the planets well  その惑星たちをはっきりと観ることは不可能だ

itはこの文の仮の主語で、真の主語は「to see the planets well」です。

at the same time

「同時に」という意味です。

between A and B

「AとBのあいだに」という意味です。
日本語の「あいだに」は①物理的な「あいだ」(例:私の家と学校とのあいだ)②時間的な「あいだ」(例:夏休みのあいだ)③心理的な「あいだ」(例:君と僕とのあいだ)がありますが、英語の「between A and B」も同様です。
ただし、公立高校入試では①の用法で使われることが大半です。

realize/受け身

If this plan is realized, もしこの計画が実現したら

「realize」は「実現する」「悟る/気づく」といった意味です。
「be動詞+過去分詞」は受け身(~される)です。

,so

「原因+so+結果」の形で因果関係をつくります。
因果関係は設問に関わってきやすいので、文章を読む際には注意してください。

第6段落

S lead 人 to A

They may lead you to great discoveries. それらがあなたに偉大な発見をもたらすかもしれない。

「Sが人にAをもたらす」と訳しましょう。

設問

問1

「Even small children can create …」は難易度の低さを強調しています。
したがって、「easy」などの難易度の低さを示す語がある選択肢を選びましょう。

アに「simple」(単純=難易度が低い)とあるのでこれを選びます。

問2

文整序の問題です。
各単語・語句の品詞等を確認していきましょう。

quickly open⇒副詞+動詞(の原形)
to⇒不定詞(to V)または前置詞(to 名詞)
even a⇒強調する語句+冠詞(冠詞の後には名詞がくる)
allows⇒動詞(「S allow 人 to V」の形が最も重要かつ頻出です)
large⇒形容詞(名詞を説明する)
you⇒名詞(人である⇒上述のallowの用法における「人」として使うことができる)
and close⇒接続詞+動詞(open(開ける)⇔close(閉める))
といった分析になります。
その結果、
「open and close」「a large piece of paper」「allow you to open」といった組み合わせが考えられます。
これらを1つにすると

allow you to open and close even a large~

となります。

問3

「脱文補充」と呼ばれるタイプの問題です。
このタイプの問題は、脱文の接続詞、指示語、代名詞に注目して考えます。

・however:逆接⇒対比構造をつくります。
ここでは、「ミウラオリにはそれをする力がある」⇔「~するのは難しい(不可能である)」という対比構造を予想できます。

・do so:「そうする」⇒直前の「動詞+目的語」の内容を指す指示語です。
ア:エネルギーを得る
イ:小さくなる
ウ:不可能が可能になる
エ:直前の文の動詞がすべて受け身⇒該当なし
オ:直前の文の動詞がすべて受け身⇒該当なし

第3段落冒頭で、ミウラオリは「宇宙科学を進化させる解決策」として紹介されています。
解決策とは、それまでできていなかったことをできるようにする施策のことです。
また、ウの直前の「impossible」は「不可能」という意味なので上述の対比構造にも当てはまっています。

したがって、ウが答えです。

問4

①IKAROSは太陽光からの圧力で動きます⇒×
②厚い…⇒×(本文中にthin=薄いとあります)
③〇
④〇

問5

IKARSOのsailは宇宙空間を進むときに使うものです。
したがって、
・太陽光からエネルギーを得るとき⇒広く広げているほうがいい
・地球上にいるとき(大気圏を突破するとき)⇒広く広げている必要はない(邪魔なので畳んでおいたほうがいい)

このことから、aがlargeでbがsmallと考えます。

問6

・「get a clear look at ?」⇒?がはっきり見える視界を得る
・telescope(望遠鏡)の話である⇒望遠鏡は天体観測(=星をみる)ための道具
・直前にある「the star」だと2語⇒NG
・似たような単語を第5段落から探す
⇒planets

問7

A

①折り紙は伝統的なもの⇒×(modern=現代のものではない)
②〇
③SFUのミッションは宇宙空間でソーラーパネルを使えるようにすること⇒×(findではおかしい)
④〇

B

①IKAROSが世界初のスペースヨットであるという記述はない⇒×
②〇
③「A telescope will fly…」⇒望遠鏡は飛んでいかない⇒×(飛んでいくのはstarshade)
④折り紙のアイデアがSFUやIKAROSに使われている⇒×(使われているのはミウラオリのアイデア)

今回は以上です。
最後までお読みくださりありがとうございました。

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