2024年度(令和6年度)都立西高校自校作成問題・英語大問4解説

2024年度(令和6年度)都立西高校自校作成問題・英語大問4解説

こんにちは!都立自校作成校受験対策専門塾・誠学会の諏訪孝明です。

この記事では、2024年2月に行われた都立西高校の自校作成問題の英語・大問4の評論文の問題を解説します。

自校作成校受験生のうち、
・本文を読んだり設問を解いたりするのに時間がかかり、制限時間をオーバーする
・本文は読めるけど設問が解けない
・過去問演習の後、自分の読み方・解き方や理解・解釈が合っているのかどうかを確認したい

といった方におススメです。

なお、自校作成英語の注意点等はこちらにまとめております。
今回の解説に先んじて読んでおいていただくと理解が深まります。
是非読んでみてください。

また、一度自力で本文を読み設問を解いてから読むことを強くお勧めします。

2024年度 都立西高校の英語のその他の大問は以下のリンクをご覧ください。

では解説を始めていきます。

本文

第1段落

vending machine

「自動販売機」という意味です。
覚えておきましょう。

the number of A

the number of vending machine 自動販売機の数(設置台数)

「the number of A」は「~の数」という意味です。
ちなみに、「a number of A」は「いくつかのA」「たくさんのA」という意味になります。

the second largest

~ is the second largest in the world ~は世界で二番目に大きい

「the second largest」は「二番目に大きい」という意味です。
最上級の表現を使って2位・3位といったランキング上位のモノを説明できる便利な表現です。

may …  Actually …

「~かもしれない。(しかし、)実は・・・(筆者の主張/文章のメインテーマ)」という「譲歩+逆接+主張」の文章構造をつくる表現です。

~の部分と…の部分は正反対の内容である=対比構造をつくる

ということに注意しておきましょう。(問1で使います。)

第2段落

関係代名詞that

a device that sold holy water 聖水を販売する装置

関係代名詞thatの節は直前の名詞の説明をします。つまり、形容詞と同じ役割をします。
また、関係代名詞thatの節は主語や目的語が1つ足りない不完全なかたちをとっています。

back to A

went back to its original spot 元の場所に戻る

「back to A」は「Aに戻る」という意味です。

thanks to A

「~のおかげで」という意味の熟語です。
因果関係をつくります。
英作文でもとても重宝する表現です。

,so

「原因+so+結果」の形で因果関係をつくります。因果関係は設問に関わってきやすいので、文章を読む際には注意してください。

little by little

「少しずつ」という意味です。

第3段落

分詞(現在分詞)

vending machines selling stationary 文房具を販売している自動販売機

分詞は名詞を説明する役割(形容詞と同じ役割)をします。
名詞の直後にあるVingやVpp(過去分詞)には要注意です。

such as

「such as」の直後には具体例がきます。

because

因果関係をつくる接続詞です。
「結果 because 原因」となります。

meet

They met people’s need それらは人々のニーズを満たしていた

meetには、「会う」のほかに「満たす」「一致する」という意味があります。
2人の人間が会うには、同じ場所にいる(居場所が一致する)必要があることから派生した意味・用法だと考えられます。

like

sold things like chocolate チョコレートなどのモノを売っていた

品詞によって意味が異なります。
①動詞:好き
②前置詞:~のような

②の用法の場合、「such as」のように直後に具体例がくることが多いです。

make O C

make their products more attractive 彼らの製品をもっと魅力的にする

makeの第5文型の用法です。
「S make O C」で「SによってOがCにある」と訳すと自然になることが大半です。

第4段落

plan to V

「Vすることを計画する」という意味です。

however

逆接の接続語です。(接続詞ではなく副詞です。)

逆接の接続語の前後は対比構造になるので注意しましょう。
ここでは、「automatが繁盛していた」⇒「ファストフードが台頭してautomatが衰退した」という流れになっています。

start to V

「Vし始める」という意味です。

第5段落

前置詞forの用法

sold orange juice for for 10 yen オレンジジュースを10円で売っていた

前置詞「for」には「交換」の意味があります。
ここでは、「オレンジジュース」と「10円」の交換を表しています。

even

even on a cold day 寒い日でさえ

evenは何かを強調するときに使う表現です。

because of A

because of all of these changes これらの変化すべてが原因で

因果関係をつくります。
英作文で必須となる表現です。
必ず使いこなせるようにしてください。

as a result

「結果として」という意味です。

文字通り、「原因と結果の関係」つまり「因果関係」をつくります。

第6段落

as

as you do with other vending machine, あなたが他の自動販売機でやるのと同じように

asには接続詞と前置詞があります。
ここでは接続詞として使われているので、接続詞のasの用法について紹介します。

後続の文が完全文のときは時・理由、不完全文のときは様態(「~のように、~どおりに」)で訳すと良いです。
今回は、「do」の目的語がない不完全な文なので「様態」で訳します。(そしてそれが問6の重要なヒントになっています。)

前置詞inの用法

in about two minutes 約2分間で

前置詞「in」には時間を指して「~で(までに)」という意味・用法があります。

ICカード

ICチップが埋め込まれたカードのことです。
スイカ・パスモが有名な具体例です。

第7段落

as

as we discussed above,  先ほど議論した通り、

接続詞「as」の2回目の解説です。
なぜ2回解説するかというと、大切だからです。

今回は

「discuss」の目的語がない⇒不完全文になっている

と考えて、「様態」で訳します。

IoTの技術

「Internet of Things」の略です。
訳すとしたら「モノのインターネット」で、家電製品や建物などとインターネットを繋ぐ技術のことを指します。

設問

問1

先ほど解説した通り、「日本で発明したと思うかもしれない」⇒「(でも)実は・・・」という流れなので
・「日本で発明されたわけではない」
・「実は〇〇(日本以外の国名)で発明された」
といった内容がくることが予想できます。

よって、答えはイです。

問2

a
コインが乗っていたもの⇒プレート


元の場所に戻る⇒移動したもの⇒pullされたもの=レバー


closeするもの⇒openもする(開閉できる)⇒バルブ

問3

「脱文補充」と呼ばれるタイプの問題です。
このタイプの問題は、脱文の接続詞、指示語、代名詞に注目して考えます。

・this new business style⇒automatのビジネススタイル

ですので、automatのビジネススタイル(ビジネスモデル)が説明されている箇所の直後に置くとよさそうですね。
したがって、アになります。

問4

①アメリカではない⇒×(フランスです)
②〇
③100円玉ではない⇒×(10円玉です)
④〇
⑤before1976ではない⇒×(1976年以降です)

問5

自動販売機が進化した⇒普及した/便利になった⇒popularを探す⇒この段落にはない⇒convenientを探す⇒ある⇒これが答え

問6

文整序の問題です。
各単語・語句の品詞等を確認していくのが定石ですが、ここでは文脈で重要なヒントがあります。

・「他の自動販売機と同じように」⇒一般的な自動販売機の使い方(自動販売機の使用プロセス)を答えることになる

ということが分かります。
それを踏まえて語句の確認をします。

pushing:Ving⇒動名詞、動詞の進行形
as:接続詞または前置詞
do:動詞の原形⇒Vまたはto Vまたは「助動詞+V」
a:冠詞⇒「冠詞+名詞」
as simple⇒「前置詞+名詞」⇒as simple asと考える⇒先ほどのasの使い道が決まる
something:名詞⇒S、O、C、「前置詞+名詞」のいずれかになる(他に「同格」という用法もあるが稀)
button:名詞⇒S、O、C、「前置詞+名詞」のいずれかになる(他に「同格」という用法もあるが稀)

自動販売機の使い方⇒ボタンを押して買う⇒「pushing button」が確定する

「if you」がある⇒youという主語(S)に対応する動詞(V)を考える⇒doしかない⇒doには目的語が必要⇒残っている名詞はsomethingのみ⇒「do something」が確定

上述の通り、「as simple as」が確定済み

以上から、「(If you) do something as simple as pushing button」となります。

問7

A

①「外国人がアニメに驚く」⇒×(第1段落にアニメへの言及がありますが、そういった内容ではありません)
②〇
③腕と脚ではない⇒×(顔と手です)
④まったく同じではない⇒×(「ほとんど同じ」と書いてあります)

B

①〇
②チョコレートではない⇒×(チューインガムです)
③すべての自動販売機で現金が不要⇒×(そういう自販機もあるとは書いてあります。しかし、それはすべての自販機であてはまるということを意味しません。)
④〇

問8(自由英作文)

日常生活でみられる日本独特のモノについて、
・それの概要
・何が独特なのか
・なぜ独特なのか
を書く問題です。(ただし折り紙と自動販売機はNG)

食べ物が書きやすいと思います。
西高校が公表している解答例では「ラーメン」が紹介されています。
他に、
・カレーライス
・寿司
といったものが考え付きやすいですが、「なぜ独特なのか」を書く必要があるので「外国の文化+日本の文化」となっているものが分かりやすいですね。
その視点で行くと
・アンパン
・カレーパン
・ナポリタン
といったものも思いつきそうです。

お題に沿ったテーマを思いつく力はトレーニングによってつきますのでこういった英作文の問題をどんどん解きましょう。書いた英作文は必ず一定の英語力のある人に採点(添削)してもらってください。

今回は以上です。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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