新宿高校
新宿高校
どういう学校か、入試の倍率などのデータを知りたい方はこちらをご覧ください。
国語の傾向を紹介します。
大問1
大問1では漢字の問題が8問出題されます。
● 前半4問
- 漢字の読みの問題です。
- 小中学校9年間で学習した漢字が出題されます
- 「裁つ」などの訓読みがあまりポピュラーではない漢字の訓読みに注意です。
● 後半4問
- 漢字の書きの問題です。
- 小学校6年間で学習した漢字が出題されます。
- 「面従腹背」「二律背反」「朝三暮四」「無病息災」など、四字熟語が1題出題される年が目立ちます。
大問2
大問2では物語文が出題されます。
1:本文
本文の主題は以下の通りです。
2023年度:突然のチャンスに臨むアイドル志望の二人
2022年度:本気で映画を撮影する若者たち
2021年度:挫折した小説家をめぐる様々な人間関係
登場人物のひたむきな面と不器用な面の二面性が描写されるという特徴があります。
心情描写1つ1つを丁寧に追いかけていかないと話の流れが分からなくなってしまう可能性がありますので注意してください。
2:設問
設問は以下のようなものがありました。
- 人物の様子
- 人物の行動・発言の理由
- 人物の気持ち
- 文章の表現
- 内容説明(「~はどういうことか」)
様子・理由の設問が圧倒的に多かったです。
本文のところで述べたように、様々な登場人物の二面性が描かれるためその様子を的確に追いかけてほしいということだと思われます。
文章の表現については、「誰視点か」「対比構造の有無」「心理描写の特徴」「擬態語」「敬体と常体」といったものが問われやすいようです。
大問3
大問3では説明文が出題されます。
1:本文
本文のテーマは以下の通りです。
2023年度:演繹法・帰納法とその限界
2022年度:哲学(経験)
2021年度:生物多様性
科学全般の思考法、哲学、生物とテーマの方向性がバラバラです。
意図的に散らしていると思われます。
とはいえ、それぞれの方向性において頻出のあるいは典型的なテーマが出題されている印象なので多くの問題を解いておけばあまりテーマ面で読みづらさを感じることはなさそうです。
2:設問
設問は以下のようなものがありました。
- 理由説明(そう述べている理由)
- 200字作文
- 筆者の考え
- 内容説明(「~はどういうことか」)の記述
- 内容理解
- 本文中の空欄に当てはまる語句を入れる
- 段落構成
- 内容一致
大問2とは異なり、設問の内容はバラバラでした。
説明文では、設問形式がどうであれ文章を論理的に読み解いていくことができているかどうかを問われますのであまり設問形式を気にする必要はなさそうです。
200字作文については、「科学では解明できないこと」「純粋経験」「多様性の価値・重要性」といったテーマが与えられていました。
やや書きづらいテーマですが、基本的には本文における筆者の主張に賛意を示しつつ自分の主張に合致する「経験」の作り話を上手く作り上げて一貫性のある主張をしたいです。
大問4
大問4では、古文や漢文を題材にした鑑賞文が出題されます。
鑑賞文とは、特定の作品の良さを語った文章です。
1:本文
鑑賞文の題材は
2023年度:『枕草子』『源氏物語』
2022年度:『土佐日記』
2021年度:『万葉集』の和歌
ジャンルがそれぞれ随筆、物語、日記、和歌バラバラであり、それぞれの分野の超有名作品を出題するという形になっています。
他の自校作成校の鑑賞文の問題のうち、超有名作品を扱ったものを優先的に解いていくと良いのではないでしょうか。
2:設問
設問は以下のようなものがありました。
- 内容説明
- 内容説明等について本文中から抜き出して答える
- 熟語の構成
- 語句の意味・用法(文法分野の内容を含む)
- 現代仮名遣い
- 筆者がそう主張している理由
- 本文中の空欄に当てはまる語句を入れる
特徴的なのは熟語の構成と語句の意味・用法が毎年出題されていることです。
語句の意味・用法については、問われる語句が助詞であると文法分野の問題であるということになります。
こうした問題はどの都立自校作成校も出題するわけではないため、意識して学習しておかないと演習不足のまま本番に臨むことになりかねません。注意してください。現代仮名遣いについても同様です。
英語の傾向と対策を紹介します。
大問1
大問1はリスニング問題です。
リスニング問題は自校作成問題ではなく、共通問題となりますのでこちらをご覧ください。
大問2
大問2は会話文の読解です。
1:本文
会話文のトピックは以下の通りでした。
2023年度:川の美化
2022年度:記憶のメカニズム
2021年度:都会に「地域社会」をつくる
会話文のトピックが説明文のテーマのようなものになっていて、単なる会話文(日常生活における会話)だと思って読んでしまうとかなり苦戦することになります。
都立共通問題大問3の会話文からスタートして、他の自校作成校の会話文も含めて説明文的な固いテーマを扱った会話文を読む練習を多く積み重ねておきたいです。
2:設問
以下のような設問が出題されていました。
- 会話文中の空欄に入る、本文の流れに合う発言を選ぶ
- 内容説明(1語を本文中から抜き出して答える)
- 内容一致問題
- 単語・語句を並び替えて正しい英文をつくる(いわゆる整序問題)
- 指示語を具体化する
- 内容理解
- 本文中で言及されているグラフとして正しいものを選ぶ
などの問題が出題されていました。
多様な設問がありましたが、会話文中の空欄に適切な発言を選ぶ問題の出題がかなり目立ちました。
また、本文中から1語を抜き出して答える問題もかなり目立ちました。
こういうタイプの問題は、どういった内容の語句を答えれば良いか分かっていてもその語句を本文中から探すのに時間がかかる可能性があります。
都立自校作成校の英語は「難しい」というよりは「多い」が悩みのタネとなる試験です。
したがって、時間がかかりそうであればとばして次の問題に進んだ方がトータルの点数は上がるかもしれません。
設問ごとの所要時間を考慮し、時間が掛かり過ぎるタイプの設問はとばすことも視野に入れましょう。
大問3
大問3は説明文の読解です。
1:本文
説明文のテーマは以下の通りでした。
2023年度:2Dコード
2022年度:垂直農法
2021年度:印象操作の方法
テーマからして難しそうですね。
実際、用いられている単語のレベルは中学レベルなのですが、これまで知らなかったことを英語で読んで理解しなければいけないという難しさがあります。
その代わり、本文の長さは他の自校作成校の説明文と比べるとやや短めです。
他校の説明文のうち、テーマが難しめのもの(日常生活や既知の内容がメインテーマではないもの)を解いていくと良さそうです。
2:設問
以下のような設問が出題されていました。
- 本文中の空欄に合う接続語を選ぶ
- 本文中の空欄に合う文を選ぶ
- 内容一致問題
- 内容理解(空欄に合う1語を抜き出す問題を含む)
- 本文中で紹介されたグラフに合う説明を選ぶ
- 本文中で紹介されたものに合う図を選ぶ
- ある段落の中にある不要な文を削除する
こういった問題が出題されていました。
特筆すべきは接続語を選ぶ問題です。
他の自校作成校では、意外と出題されていません。
接続語というのは、接続詞だけではありません。
(有名どころでいうと、Howeverは接続詞ではありません。)
どのような接続語がどのような役割をするのかを覚えておく必要があるでしょう。
また、図やグラフを活用する問題があるのも特徴的です。
他の自己作成校のうち、図表を活用する問題をこのサイトの情報を活用するなどして探してもらい、練習しておくと良さそうです。
不要な1文を削除する問題も厄介です。こちらも「論理構造」から判断することになります。
接続語を重視していることから、1文1文を正確に読むことに加えて段落間の関係や論理展開を理解しているかどうかを問いたいようです。
大問4
大問4は物語文の読解です。
1:本文
物語文の主題は以下の通りでした。
2023年度:念願だった図書館をつくる
2022年度:好きなことを形にする
2021年度:自分自身を聴く
物語文においても、部活・行事・留学などといった身近なテーマではないようです。
主人公が何かを頑張る過程や苦悩や葛藤が描かれているので、それらを正確に読み取る必要があります。
やや複雑なあらすじをもつ物語文を読む練習をしておきたいです。
2:設問
以下のような設問が出題されていました。
- 内容理解
- 本文中の空欄に入る、本文の流れに合う語句や文を選ぶ
- 単語・語句を並び替えて正しい英文をつくる(いわゆる整序問題)
- 内容一致問題(本文の内容に合う選択肢を選ぶ)
- 英作文
- 本文中から1語を抜き出して答える内容理解問題
- 時系列を整理する問題
一番特徴的なのは英作文で、35〜45語で「読書の目的」「興味を抱く対象を見つける方法」「重大な決断を下す前に、自分とは異なる考え方の人と話すかどうか」というやや複雑なテーマが与えられます。
英文を書く前に、日本語で内容を考える段階をしっかり確保する必要がありそうです。
数学の傾向と対策について、設問ごとにみていきましょう。
1:大問1の出題内容と対策
問1
入試年度 | 出題内容 |
2023年度 | 根号を含む式の計算 |
2022年度 | 根号を含む式の計算 |
2021年度 | 根号を含む式の計算 |
難しくはないですが、手間がかかる問題となっています。
そのため、計算ミスによる思わぬ失点をしてしまう可能性があります。
ここで失点してしまうと難問に正解して取り返さねばならないことになるため、計算ミスをすることが無いよう練習を重ねておきましょう。
問2
入試年度 | 出題内容 |
2023年度 | 連立方程式の応用問題 |
2022年度 | 連立方程式の計算問題 |
2021年度 | 二次方程式の計算問題(問3で連立方程式の計算問題を出題) |
分数や小数が登場したり、両辺に文字が登場したりしていて計算に若干の手間がかかる連立方程式の問題が出題されます。
問1同様、絶対に落とせない問題となっているため難しめの計算問題が多数収録されている問題集で計算練習をしておきましょう。
問3
入試年度 | 出題内容 |
2023年度 | 二次式への数値の代入 |
2022年度 | 袋の確率 |
2021年度 | 連立方程式の計算問題 |
2020年度 | 二次式への数値の代入 |
2019年度 | サイコロの確率 |
計算問題が出題される年もあれば、確率の問題が出題される年もある設問となっています。
どちらも出題されるものとして、準備をしておきましょう。
問4
入試年度 | 出題内容 |
2023年度 | サイコロの確率 |
2022年度 | 角度の大きさを求める問題 |
2021年度 | 倍数の性質などを利用して整数を特定する問題 |
2020年度 | カードの確率 |
確率は問3で出題されなかった場合でも問4で出題されるケースがほとんどのようですね。
過去5年でいうと2021年度以外は確率の問題が出題されたようです。
(2021年度は大問4で確率の問題が出題されました。)
2022年度のような、角度の大きさを求める問題は仮に大問1で出題されなくても大問4で出題されることの多い題材ですし、角度の大きさを求める際に扱う円などの図形の性質は作図の問題や関数の問題で活用することも多いのでしっかり学習しておきましょう。
問5
入試年度 | 出題内容 |
2023年度 | 角度の大きさを求める問題 |
2022年度 | 作図の問題 |
2021年度 | 立体の体積を求める問題 |
2020年度 | 角度の大きさを求める問題 |
すべてが図形に関する問題となっています。
2022年度のみ作図の問題となっているのは、この年の大問1が問5までしかなかったためです。
それ以外の年は、大問1に問6や問7があったためそちらで作図の問題が出題されています。
問4でもお話ししましたが、図形の性質は自校作成問題数学全体の対策において重要ですのでしっかり学習しておきましょう。
問6
入試年度 | 出題内容 |
2023年度 | 作図の問題 |
2022年度 | なし |
2021年度 | 作図の問題 |
2020年度 | 連立方程式の文章題 |
大問1は問6までのことが多く、その場合はここで作図の問題が出題されます。
作図の問題は垂直二等分線や角の二等分線を引けば解決することが多いのですが、それだけだと全員正解してしまうので円の性質などを関連させて問題を複雑にしています。
円や二等辺三角形などの図形の性質を利用すれば解けることが多いので、行き詰ったときの参考にしてください。
2020年度の、連立方程式の文章題というのは都立高校入試では珍しいタイプの問題となっています。
過去の傾向に頼り過ぎてしまうと対策を怠りやすい分野ですので、そうした分野の対策をも疎かにしなかった受験生が報われるようにしたのだと考えます。
こうした問題がまた出題される可能性は十分にありますので、注意が必要です。
問7
入試年度 | 出題内容 |
2023年度 | なし |
2022年度 | なし |
2021年度 | なし |
2020年度 | 作図の問題 |
ここ4年では2020年度のみ、大問1が問7までありました。
作図の問題に関するコメントは問6でした通りです。
作図はどの自校作成校の問題をみても必ず出題されていますので、たくさんの問題を解いて練習しておきましょう。
2:大問2の出題内容と対策
大問2では関数の問題が出題されます。
2023年度2022年度は二つの二次関数のグラフが、2021年度は一つの二次関数のグラフと一つの一次関数のグラフが、2020年度は二次関数のグラフと反比例のグラフが出題されています。
意図的にバリエーションを豊かにしていると思われますので、様々なパターンの関数の問題を解いておくようにしたいですね。
全部で3問出題されますが、その3問は「問1・問2・問3」と表記される場合や「問1・問2(1)・問2(2)」と表記される場合などがあります。
区別するのが面倒くさいので、1問目・2問目・3問目と表記していきます。
1問目
入試年度 | 出題内容 | 正解のためのポイント |
2023年度 | 条件を満たす直線の式を求める | 座標平面上の三角形の面積を求める座標から直線の傾きを求める |
2022年度 | ある線分の長さと別の線分の長さの比を求める | グラフ上の点の座標を求める |
2021年度 | 三角形の面積を求める | グラフ上の点の座標を求める |
1問目は「関数のグラフの利用」と呼ばれる分野の基本中の基本ができていれば解ける問題となっています。
つまり、ここを落とすと確実に他の受験生との差がつきます。
どれだけ数学が苦手でも、新宿高校を一般受験するのであれば絶対に正解できるようにしておきましょう。
2問目
入試年度 | 出題内容 | 正解のためのポイント |
2023年度 | 線分の長さを求める | 傾きが1の直線とx軸がなす角は45度なので、直角二等辺三角形が現れる |
2022年度 | 2つの線分の和が最小となるときの合計値 | 2つの線分の和が最小⇒3点が一直線上に並ぶ |
2021年度 | ある四角形の面積とある三角形の面積の比を求める | 平行な直線の傾きは等しいグラフの交点の座標の求め方相似な三角形の性質 |
1問目より確実に難しくなっています。
図形的なアプローチが求められています。
2022年度のような問題は、他校だと大問4で多いです。二次関数でこの考え方を使う経験はあまり無い受験生が多かったのではないでしょうか。
新宿高校の二次関数の問題で行き詰ったら、図形の性質を利用することを考えると良さそうです。
3問目
入試年度 | 出題内容 | 正解のためのポイント |
2023年度 | 条件を満たす点の座標を求める | 等積変形平行線と面積の関係 |
2022年度 | 条件を満たす直線の式を求める | 座標から直線の傾きを求める |
2021年度 | 条件を満たす点の座標を求める | グラフ上の点の座標を求める |
2021年度と2022年度は、難解というよりは煩雑な問題という感じでした。
2問目で図形的な発想力を問うている分、3問目では計算力や関数ならではの処理をさせる問題を出題しているのでしょうか。
2023年度のような等積変形と平行線と面積の関係を利用する問題は自校作成問題における関数の典型問題です。
「等積変形をさせる問題が出題されやすい」と強く意識しておくことで、「この問題は等積変形をすればいけそうだ」と思いつきやすくなります。
是非常に意識しておいてください。
3:大問3の出題内容と対策
大問3では平面図形の問題が出題されます。
2023年度は円とそれに内接する直角三角形、2022年度は長方形とその一部を折り返した図形、2021年度は二等辺三角形が題材となっています。
全部で3問〜4問出題され、年によって表記がバラバラです。
ここでも、1問目・2問目・3問目・4問目と表記していきます。
1問目
入試年度 | 出題内容 | 正解のためのポイント |
2023年度 | 図形の証明 | 円周角の定理二等辺三角形の性質 |
2022年度 | ある辺が条件を満たす長さの範囲 | 折り返した図形の性質三平方の定理 |
2021年度 | ある三角形の面積と別の三角形の面積の比を求める | 二等辺三角形の性質相似な図形の面積比 |
いずれも少し厄介な問題に見えますが、正解のために使うポイントは基本的なものになっています。
すべて使用頻度の高いものになっているので、どういう時に用いることになりやすいのかを主に設問条件と関連させて覚えていきましょう。(数学が得意な人はそれをフィーリングで行っています。)
2問目
入試年度 | 出題内容 | 正解のためのポイント |
2023年度 | 三角形の面積を求める | 円周角の定理合同な三角形の性質相似な三角形の性質三平方の定理 |
2022年度 | 図形の証明 | 平行線の錯角は等しい折り返した図形の性質長方形の性質合同な三角形の性質 |
2021年度 | 角度の大きさを求める | 相似な三角形の性質三角形の内角と外角の関係 |
正解のためのポイントが多くなりました。
問題が複雑になったことを意味します。
また、2021年度に使った「三角形の内角と外角の関係」はシンプルですし有名でもあるのですが使用頻度がそこまで多くないのでいざというときに思いつきにくいです。気を付けましょう。
3問目
入試年度 | 出題内容 | 正解のためのポイント |
2023年度 | 線分の長さを求める | 「直径の円周角は90度」の逆(=90度だから直径)相似な三角形の性質三平方の定理平行線の同位角は等しい |
2022年度 | 線分の長さを求める | 折り返した図形の性質三平方の定理 |
2021年度 | 図形の証明 | 平行線の錯角は等しい平行線の同位角は等しい |
2023年度のような「○○の定理の逆」、例えば「円周角の定理の逆」「三平方の定理の逆」といったものが正答のためのポイントとなる場合その問題は発想力が求められる難しい問題といえます。
ここで正解出来たら他の受験生と差をつけることができそうです。
4問目
入試年度 | 出題内容 | 正解のためのポイント |
2023年度 | なし | |
2022年度 | 五角形の面積 | 折り返した図形の性質三平方の定理五角形を台形と三角形に分ける |
2021年度 | 三角形の面積 | 1つ前の設問で用いた情報をヒントにする二等辺三角形の性質 |
いずれもあまり難しくない問題でした。
問題が4問ある場合は、1問1問があまり難しくならないようにしているのかもしれません。
いずれも、設問や図形の性質の知識で分かっていることを図に書き込んでいけば解法を思いついたり答えにたどり着いたりすることができるのではないでしょうか。
4:大問4の出題内容と対策
大問4では空間図形が出題されますが、2021年度は例外的に確率とグラフの応用問題が出題されました。
2024年度以降、大問4では空間図形の問題が出題される可能性が高いですが2021年度のような思考力を問うスタイルの問題が出題されることもあり得ます。そういった問題をまとめている問題集がありますので、是非購入してやりこんでおいてください。
大問2・大問3と同様に問題番号の表記が年によってバラバラなので、1問目・2問目・3問目…と表記していきます。
1問目
入試年度 | 出題内容 | 正解のためのポイント |
2023年度 | 線分の長さを求める | 二等辺三角形の性質三平方の定理 |
2022年度 | 線分の長さを求める | 三平方の定理 |
2021年度 | 特定の条件を満たす確率 | サイコロの確率の基礎 |
空間図形の問題は、数学が苦手な人は「空間図形だ!」というだけで敬遠し難しく考えてしまう場合があります。
したがって、受験生に差をつけるために1問目は比較的シンプルで解きやすくしてある自校作成校は多いです。
新宿高校もそれに当てはまるようで、少なくとも1問目は平面図形の性質を使った解きやすい問題となっています。
2021年度の問題も、大問1レベルの確率の問題を正解できる人であれば大丈夫な難易度になっていると思います。
2問目
入試年度 | 出題内容 | 正解のためのポイント |
2023年度 | 三角形の面積を求める | 三平方の定理平行四辺形の証明平行線と面積の関係 |
2022年度 | ある立体の体積と別の立体の体積の比を求める | 五角形を正方形と直角二等辺三角形に分ける高さが等しい立体の体積の比は底面積の比に等しい |
2021年度 | ある直線と別の直線が交わる確率 | 直線が交わる条件を式にして表現する |
1問目より若干難しくなっているものの、1問目と同じ方針、つまり空間図形だからといって毛嫌いせず基礎知識を活用して正解してほしい、それができる人に合格してほしいという設計にしてあるようです。
2021年度の問題も、「直線どうしが交わる」ということばを数式にして表すという発想さえできれば、それを式にするのはあまり難しくありません。
3問目
入試年度 | 出題内容 | 正解のためのポイント |
2023年度 | 立体の体積を求める | 三平方の定理長方形の性質相似な三角形の性質どの面を底面とするかを工夫する |
2022年度 | 三角形の面積を求める | 三角形と比の定理の逆直角二等辺三角形の性質三平方の定理 |
2021年度 | 三角形の面積を求める | 文字を使って三角形の面積を表現する問1で使用した内容をヒントにする |
本格的な空間図形の問題、または思考力が求められる問題が出題されています。
ここまでくると、「合格するためには絶対に正解しなければならない」という問題ではなくなってきます。
もちろん、本番は時間の許す限り1問でも多く正解するべく挑むのですが日々の受験勉強の際にここに時間を割き過ぎてしまうと他の教科への取り組みが甘くなってしまう可能性があります。
内申点や各教科の得意・不得意などから目標とする点数を出すことで、こういった難問にどこまでこだわるべきなのかの指針を定めていきましょう。
4問目
入試年度 | 出題内容 | 正解のためのポイント |
2023年度 | なし | |
2022年度 | 線分の長さを求める | 平面を抜き出して考える平行線の錯角は等しい相似な三角形の性質三平方の定理 |
2021年度 | なし |
平面図形と同じように、問題数が例年より多い大問は1問1問が難しくなりすぎないようにつくっているようです。
2022年度の問4は適切な平面を抜き出して考えることさえできれば、極めて典型的な志思考プロセスで正解できる問題となっていました。
理科社会は自校作成問題ではなく、都立高校共通問題が出題されますのでコチラをご覧くださいませ。
理科社会は自校作成問題ではなく、都立高校共通問題が出題されますのでコチラをご覧くださいませ。
新宿高校の小論文は問題数が年によってバラバラで、2〜4題の出題となっています。
自校作成校の推薦入試で小論文の問題が複数題出題される場合、一部の問題は資料の読み取りで残りの問題は文章の読み取りというケースが多いですが、新宿高校の場合はすべて資料の読み取りとして出題しているようです。
どのようなテーマでの資料読み取り問題が出題されているのかを紹介します。
2023年度
- 日本における発電電力量に占める各電源の割合
- ダムの活用(エネルギー面)
- ロケットの打ち上げに最適な場所
2022年度
- 消費者物価指数の推移
- 消費者物価指数の動向から生じる懸念点(政治・経済・教育のいずれかの立場から)
- 大気中の二酸化炭素濃度の変化の傾向
- 大気中の二酸化炭素濃度の増加ペースを和らげるための合理的で具体的な対応策
2021年度
- 伝統的な日本的雇用と、欧米に見られる雇用それぞれの利点と課題
- 塩漬けにされた食品が腐りにくく保存できる 理由
- 論理的に成立するような調 理計画
2020年度
- さまざまな国の税制度の共通点と相違点
- 「機会費用」「埋没費用」
時事的なテーマの出題が目立ちますが、2023年度の3問目や2021年度の2問目のような科学的な問いもあります。
こちらへの対策の有無のほうが合否を分けそうな気がします。
科学をどのように日常生活に応用しているか、という切り口で書かれている本を数冊読んでおくと良さそうですね。
もちろん、時事問題への対応もおろそかにしないようにしてください。
一般的な小論文対策、つまり小論文の文章構成や文章を書く際に注意してほしいことは以下の記事にまとめておきました。
是非こちらも併せてご覧ください。
面接に関しては各高校特に変わりはないのでこちらをご覧くださいませ。
2024年度、一部の都立高校では推薦入試で行っていた集団討論を復活させることになりました。
しかし、新宿高校では2024年度には集団討論は復活しません。
2025年度以降、新宿高校が集団討論を復活させたときに役立つように近年の集団討論テーマを紹介いたします。
R2 | 「地域に住む外国人が生活で困っているこ とや不満なこと」についての、外国人住民及び日本人住民を対象とした意識調査の結果 に関する資料を見て、問題点の解決策を、 グループとしてまとめる。 |
H31 | 自転車の交通事故に関する資料を見て、問題点の解決策を、グループとしてまとめる。 |
H30 | 「人工知能の活用例」と「その活用例におけ る具体的な良い点と問題となる点」を自分の 考えとして発表しなさい。その後で、「どのようなことを人工知能活用のルールとすれば よいか」を討論しなさい。 |
H29 | エスカレーターを利用するとき、安全のためステップに立ち止まって利用する人もいれ ば、急ぐため階段のように歩いて利用する 人もいます。今後、私たちはエスカレーター の利用についてどのようにしていくべきでしょうか。 |
H28 | 救急車の利用を有料にすることに賛成です か。反対ですか。 |
H27 | 平成26年度全国学力・学習状況調査の正 答率と携帯電話・スマートフォンの使用時間 について |
H26 | 世の中の動きを知る情報源としてのメディア 利用について |
H25 | 18歳選挙権について |
出典:https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/admission/high_school/ability_test/theme/
私たちの日常生活に関するテーマが目立ちますね。
今後も、「SNS上」「公共の場」などでの振る舞いなどについて自分の意見をもっておくと対策になりそうなテーマが続くのではないでしょうか。
日常生活といっても、時事問題的な要素も含まれています。
「国際社会」「AI」などがそうですし、エスカレーターの利用についても条例でエスカレーターでの歩行を禁止する自治体が増えていて話題になっています。
「時事問題×日常生活」というのが新宿高校の集団討論ではテーマになりやすいようです。
「都立高校自校作成校」の受験対策のことなら何でもお任せください!