戸山高校の推薦入試小論文は与えられた複数の資料をもとにして出題され、受験生は指示に従って論述する必要があります。
2024度(令和6年度)の第1問では、「少子化」をテーマに少子化の原因や対策について、資料を参照しながら自分の意見をまとめる形式でした。
制限時間内に論理的に分かりやすく表現することが求められています。
問題は以下からご覧ください。
また、2024年度都立戸山高校の小論文大問2の解説の記事は以下をご覧ください。
目次
概要
問題1では、次のような問題が出されています。
問1
与えられた資料(資料1と資料2)から少子化の原因を読み取り、100字以上150字以内で説明しなさい。
問2
資料3に示された少子化の原因に関する理由の中から1つを選び、それに対する対策を100字以上150字以内で説明しなさい。
この問題では、まず少子化の原因を把握し、それに対して具体的で現実的な対策を提案することが求められています。
短い文字数で的確に要点を伝える表現力が重要です。
与えられている資料の概要と解説
資料1の概要と解説
資料1は、50歳時点での未婚率や結婚している人の割合を示したデータです。
このデータからは、年々未婚率が上昇し、有配偶率が減少していることがわかります。
1970年代にはほとんどの人が結婚していましたが、2020年には28.3%が未婚です。
結婚する人が減ることは、出生数が減少する要因となります。
少子化の原因として「結婚する人の減少」が背景にあることが示唆されています。
資料2の概要と解説
資料2では、20〜30代の所得分布が示され、1997年と2017年で比較されています。
1997年と比べて、2017年では20・30代の低所得層の割合が増加しています。
低収入で生活が安定しないことが結婚や子育てをためらわせ、少子化に結びついていることがわかります。
経済的な不安が、若年層のライフプランに影響を与えていることが示唆されています。
資料3の概要と解説
資料3には「理想の子どもの数を持たない理由」が複数示されています。
「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」や「育児の負担が大きいから」といった、子育てをためらう理由が明確にされています。これらの理由に対して、どのような対策を講じるべきかを考える必要があります。
資料3は、少子化対策を考える上で具体的なヒントを提供してくれます。
問1の解説と解答例
問題文の指示とポイント
問1では、資料1と資料2をもとに少子化の原因を100字以上150字以内で説明することが求められています。
解答する際には、まず資料のデータを正確に理解し、それをもとに論理的に原因をまとめることがポイントです。
解説
①資料1の視点
「未婚率の上昇」が少子化に影響していると考えられます。
結婚する人が減少していることは出生数の減少と直結するため、少子化の一因といえます。
②資料2の視点
「所得の低下」も大きな要因です。
若者の収入が減少し、生活の安定が難しくなっているため、結婚や子育てに踏み切れない人が増えていると考えられます。
解答例
資料1からは、未婚率が年々上昇しており、結婚する人の減少が少子化の原因となっていることがわかります。また、資料2では20・30代の所得が低下していることが示されており、経済的不安が結婚や子育てをためらわせていると考えられます。
(113文字)
問2の解説と解答例
問題文の指示とポイント
問2では資料3に示された少子化の理由の中から1つを選び、それに対する対策を100字以上150字以内で説明することが求められています。
選んだ理由に対して現実的かつ効果的な対策を提案することがポイントです。
解説
「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」を選ぶと、経済的な支援策を考えやすいです。
「子育て支援金の増額」「保育料の無償化」「教育費の助成金制度の強化」などが効果的な対策になります。
具体的な例を挙げると、説得力が増します。
解答例
(ウ)
子育てや教育にお金がかかりすぎるからという理由に対する対策として、政府や自治体が経済的支援を強化することが必要です。具体的には、子育て支援金の増額や保育料の無償化、教育費の助成金制度の拡充が考えられます。これにより、子育て世帯の経済的負担を軽減することができます。
(132文字)
まとめ
戸山高校の小論文問題は、資料をもとに論理的に考え、適切に文章化することが求められます。
今回の「少子化」問題では、資料1・2から原因を正確に読み取り、それに基づいて説得力のある対策を提案することが重要です。
特に、自分の意見を具体的にするために、データや事実をしっかり根拠として示すことで、内容が充実した回答となります。
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