都立西高校推薦入試小論文解説・平成29年度(2017年度)

2017年度(平成29年度)都立西高校推薦入試小論文解説

この記事では、西高校推薦入試小論文のうち、平成29年度(2017年度)のテーマを解説します。

西高校の小論文は、特定のことばについてあなたが感じ、考えたことを600字以内で述べる問題です。令和3年度以前は「あなたが感じたり思ったりすること」を600字以内で述べなさいという設問でしたが、「思う」が「考える」になったことには、「論理的な思考に基づいて書きなさい」というメッセージが込められていると考えられます。

西高校の小論文は自由度が高く、さまざまなアプローチが可能です。ここで紹介する解説は一例に過ぎませんが、その思考プロセスを参考にすることで、推薦入試本番で何を書くかを考える際の手助けになるでしょう。

それでは、解説を始めます。

今回の「ことば」

平成29年度入試の「ことば」は

「世界は『のっぺらぼう』である。」

です。

この言葉は、世界が一見すると無個性で無味乾燥なものに見えることを示唆しています。
しかし、その見た目に惑わされることなく、自分自身の視点や考え方で意味や価値を見出していくことの重要性を示しています。
何も考えずに表面的なものだけを見ると、世界は「のっぺらぼう」に感じられますが、深く掘り下げてみると、多様な側面や価値が見えてくるという考え方です。

問題の理解とテーマの解釈

このことばは、世界や物事を表面的に見るのではなく、深く観察し、自分の視点で理解することの大切さを教えています。

何も考えずに受け入れるだけでは、世界は無味乾燥に見えますが、視点を変え、深く考えることで多様な魅力や価値を発見することができます。

中学生として、このテーマに対してどう感じ、何を考えるかを述べる際には、以下のポイントに注意すると良いでしょう。

「のっぺらぼう」とは

「のっぺらぼう」とは、何も特徴がなく、一見無意味に見えるものを指します。
しかし、これをどう捉えるかは自分次第です。
何も考えずにただ見るだけでは、世界は平坦でつまらないものに映ります。

視点を変えることの大切さ

視点を変えることで、物事の新たな側面が見えてきます。
単なる景色も、自分の視点や経験を通じて見れば違った意味や価値が生まれるのです。

自分の視点で意味を見出す

自分自身の視点や考え方で世界や物事に新たな価値や意味を見出すことが、より豊かな人生を築くために必要です。
見慣れたものでも、違う見方をすることで新たな発見ができるのです。

解答作成のポイント

解答を作成する際には、以下の流れで考えを組み立てると論理的な文章が書けます。

  1. テーマの理解と共感: まず、この言葉の意味や背景について自分なりの理解を示し、共感できる点を述べます。
  2. 具体例の提示: 次に、自分の経験や周囲の出来事から具体例を挙げ、このテーマに関連するエピソードを示します。
  3. 自分の考えの展開: 最後に、具体例を通じて自分が何を学んだか、このテーマをどう捉えているかを述べます。

解答例

「世界は『のっぺらぼう』である。」という言葉は、世界や物事を表面的に見るだけでは無味乾燥に感じられることを示しています。しかし、これは見方次第で変わるもので、深く考え、観察することで新たな価値を見出すことができます。何も考えずにただ受け入れるだけでは、世界は単調で面白みのないものになってしまいますが、自分の視点で見つめ直すことで、そこには多くの魅力や発見があることに気づくのです。

私も学校の美術の授業で、一見何の変哲もない風景画を描く際に、ただそのまま描くだけでは面白くないと感じたことがあります。しかし、色使いや光の当たり方、影の動きに注目してみると、同じ風景でも全く違った印象を与えることができると気づきました。これにより、風景が持つ様々な表情や、絵を通して見る世界の多様性を感じることができました。単に見えるままを受け入れるのではなく、自分の視点で新たな価値を見出すことの楽しさを学んだのです。

この経験から、世界が「のっぺらぼう」に見えるのは、私たちが世界をそういう風にしか捉えられていないからだと理解しました。何事も表面的な見た目だけにとらわれず、自分の目と心で深く観察し、考えることが大切です。そうすることで、見慣れた日常や景色も新たな発見や感動をもたらしてくれるはずです。これからも、自分の視点を大切にし、世界に対する見方を広げていきたいと思います。
(582文字)

まとめ

この問題に対する解答では、世界や物事をどう見るかでその価値や魅力が変わるという視点を具体的に述べることが求められます。
自分自身の視点で意味や価値を見出すことで、世界がより豊かに感じられるという考えを伝えることが大切です。
普段の生活の中でも、視点を変え、物事を深く観察することで、新たな発見を楽しんでいきましょう。

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