2024年度(令和6年度)都立国際高校自校作成問題・英語の解説

2024年度(令和6年度)都立国際高校自校作成問題・英語解説

こんにちは!都立自校作成校受験対策専門塾・誠学会の諏訪孝明です。

この記事では、2024年2月に行われた都立国際高校の自校作成問題の英語・大問1・2・3のリスニングと大問4物語文と大問5説明文の解説します。

都立自校作成校受験生のうち、

・国際高校のリスニング問題の形式が知りたい
・英検のリスニング問題は大丈夫だけど、国際高校のリスニング問題は不安
国際高校を受験する予定はないが、レベルの高いリスニング問題で都立共通リスニング問題の万全な対策をしたい
・国際高校の英語長文のレベルを知りたい
・国際高校を志望しているが、長文読解の対策に苦労している
国際高校を受験する予定はないが、レベルの高い問題で万全な対策をしたい

といった方におススメです。

一度自力で解いてみてから以下の解説を読むことを強くお勧めします。

目次

大問1

問1

対話文が流れてくるより先に選択肢を見ましょう。
すると、
・部屋の絵が描いてある
・ベッドや棚の位置が選択肢によって異なる
ことに気づきます。
そこで、「部屋の中の家具の配置を訊く問題なんだな」という判断ができます。

moving some things

これが聞こえてきたときに考えなくてはいけないのは、
「動かす前の配置と動かした後の配置のどちらを答えなくてはならないのか」ということです。

near the window

ベッドが窓側に移動したことが分かります。(動かす前は窓と反対側だったこともわかります。)

next to your desk

本棚が机の隣にあることが分かります。(動かす前はそうではなかったと推測できます。)

next to the door

ポスターがドアの隣にあることが分かります。(動かす前はそうではなかったと推測できます。)

look like now

「今」の様子を訊かれているので、動かした後の配置を答えればよいことが分かります。

上記のように考えて正答を導きます。

問2

先に選択肢を見ます。
・選択肢はイベントのポスター⇒どのイベントに参加する予定か(どのイベントなら参加できるのか)が訊かれる問題だと考えられます。
・2つはスポーツ、2つは料理です
・午前中のイベントが2つ、午後のイベントが2つです
こうした情報を整理したうえで英文を聴きましょう。

in the morning, I have a piano lesson

朝はピアノのレッスンがある⇒午前中のイベントには参加できないと考えられます

I like to cook

料理が好き⇒料理のイベントに参加する流れになっていると判断できます

Oh,wait.

ちょっと待って⇒流れが変わりそうだ(料理系のイベントへの参加に「待った」がかかった)と判断できます

tournament/practice/balls

スポーツの流れになったと判断できます

以上から、午後に行われるスポーツのイベントすなわちエのバスケットボールが正解だと判断できます。

大問2

A問1

選択肢は時刻です。
何の時刻が訊かれるのかを考えながら聴きます。

A問2

内容一致問題です。
問1を解くだけなら時刻のことだけ考えて聴けばよいのですが問2を解くために会話文全体の内容を聴きとらなければいけません。

ア:「地下鉄を利用する」「いつもとは異なる」がポイントになります
イ:「2時間目の終わりに」がポイントになります
ウ:「皆が大声で話しているから」がポイントになります
エ:「サウスサイド駅で止まった」「学校に遅刻しそう」がポイントになります

at Northside station

ノースサイド駅にいる⇒電車が停まったのはノースサイド駅⇒エが×

announcements at the station, so it is noisy

駅のアナウンスがうるさい⇒ウが×であるとわかります(うるさい理由・原因が間違っています)
因果関係を示す表現は、選択肢中・会話文中を問わず要注意です。

take a different subway line

別の路線を利用する⇒アが正しそうと判断できる

I will be late for school

学校に遅刻しそう⇒エの要素ですが、エは駅名が違うので候補から既に消えています。

always … at 8:20, but today… take an hour longer

普段は8時20分だけど、今日は1時間長くかかる⇒9時20分に着くということが分かります⇒問1がエです

arrive before the start of the second period

2時間目が始まる前に着く⇒イが×だとわかります

以上から、問2はアであると判断できます。

B問1

選択肢をみると、曜日を選ぶ問題だとわかります。
曜日を特定できる情報に特に注意して聴く必要がありそうです。

B問2

内容一致問題です。
問1を解くだけなら曜日のことだけ考えて聴けばよいのですが問2を解くために会話文全体の内容を聴きとらなければいけません。

ア:「20世紀」「2階」がポイントになります
イ:「同じ階」(絵とカフェ)がポイントになります
ウ:「芸術の歴史」「今月」「イベントルーム1」「4階」がポイントになります
エ:「4階」「別の階で(お土産が買える)」がポイントになります

closed every second and fourth Monday

第2・第4月曜は閉まっている⇒これを問1で答える可能性があると考えます(実際には違います)

every first and third Friday… until 7 p.m.

第1・第3金曜は午後7時まで開いています⇒これを問1で答える可能性があると考えます

We have club activities … until 5 p.m.

午後5時まで部活がある⇒美術館に行くなら金曜日⇒これが問1の答えになりそうと考えます(実際にそうです)

On the second floor, … from the 14th century to the 16th century

2階では、14世紀から16世紀の…⇒問2のアが×だとわかります

on the first floor, … a souvenir shop and Event Room 1 … cafeteria…

1階にお土産屋、イベントルーム1、カフェが…⇒イが×です

Event Room2… special event…

イベントルーム2で特別展が…⇒ウが×だとわかります

問2のエに関して

非常に紛らわしい選択肢ですが、「お土産屋や1階にもあるので1階でも買うことができる」を根拠にしてこちらが正解だと考えます。

大問3

内容一致の問題です。
選択肢の内容を事前に確認しましょう。

ア:「条件と結果の関係」「条件:遅刻しそう」「結果:親が学校に電話する」がポイント(条件と結果の関係)
イ:「集合写真の前」(に偉い人の話を聞き、クイズをやる)がポイント(スケジュール)
ウ:「インフォメーションセンターとアイス屋がレストランの隣」がポイント(位置関係)
エ:「鶏肉と野菜」「塩と胡椒」(メニュー)
オ:「農場のどこでも」(場所)「昼食の後」(タイミング)
カ:「バスの上で」(場所)「午後6時に」(スケジュール)「イースト駅に戻る」(場所)
キ:「(勝者へは)Tシャツと秘密のプレゼント」(商品の内容)

といったキーポイントを確認し、音声に備えます。

if you are late, you need to call your group leader

遅刻するなら班長に電話する必要がある⇒アが×です

before lunch

「昼食前」⇒これは偉い人の説明とクイズ大会のタイミングを説明しています⇒イが×です

between the information center and the ice cream shop

インフォメーションセンターとアイス屋のあいだに⇒これはレストランの位置を示しています⇒ウが〇です

soy sauce and pepper

醤油と胡椒⇒エが×です

freely

どこでも⇒オが〇

by 3 p.m.

午後3時までに⇒カが×

The second prize/The first prize

1位と2位にそれぞれ商品が出る⇒1位は秘密のプレゼント、2位はTシャツ⇒キが×

このように判断していきます。

都立共通問題のリスニングとも英検のリスニングとも異なる独特な問題形式をしていますので、国際高校の過去問を1年分でも多く集めて解くようにしましょう。

大問4本文

第1段落

be good at

What are you good at? あなたは何が得意ですか?

「~が得意」という意味の熟語です。

practice for A

practice for the interview  そのインタビューに向けて練習する

この場合のforは「目的」です。

not A but B

she was just OK, not great, at everything.  彼女はすべてにおいてまあまあで、 優れている分野はない。

not A but B(AではなくB)の、
・「not A」と「but b」の順番を入れ替えた
・butを省略した
というものになっています。
この場合でも、not A but BのAとBが対比構造をつくりますので読解の際はそこに注意しましょう。

not…any…

she didn’t have any special talents. 彼女には、特別な才能は何もありませんでした。

not+anyで全否定になります。

第4文型

teacher gave her some advice 先生が彼女にいくつかのアドバイスをした。
S     V   O1   O2

第4文型は、
・Vの意味は「与える」
・O1≠O2
・O1に「与える相手」、O2に「与えるモノ・内容」
という特徴の表現です。
読解でも英作文でも使いこなせるようにするために、第4文型をとる文に出会ったら「この動詞は第4文型をとれるんだな」と認識しておくようにしましょう。

命令文+and SV/step out of/comfort zone

Step out of your comfort zone, and you will find your answer.
コンフォートゾーンから出なさい。そうすれば答えが見つかりますよ。

命令文+and SV:~しなさい。そうすればSV(好ましい結果)ですよ。
step out of A:Aの外へ出る
comfort zone:コンフォートゾーン。その人が慣れ親しんでいてストレスや不安を感じずに過ごせる、心理的な安全領域のこと。

agree with A

Wakako had to agree with this.  ワカコはこれに同意せざるを得なかった。

agree with A:Aに賛成する

so 形容詞 that SV

she was so shy that SV 彼女はSVするくらい内気だ。

so 形容詞 that SV は、「形容詞」の程度を表す表現です。
なお、「形容詞」を原因で「SV」を結果と訳すと自然になる(「形容詞」なので「SV」)ことも多いです。

how to V

she didn’t know how to change~   彼女は~を変える方法を知らなかった。

how to V:Vする方法(Vのやりかた) 

第2段落

hold

hold the sports festival 運動会を開催する

holdには「開催する」という意味があります。

take part in

students take part in games. 生徒たちが試合に参加する。

「take part in」は「参加する」という意味の熟語です。

such as 名詞

sports games such as a relay リレーのようなスポーツの試合

「such as」の直後には具体例がきます。

関係代名詞whichの省略/現在完了形

something I have never done before  私がこれまでにやったことがないこと

目的格の関係代名詞which(which節の目的語がないもの)は省略が可能です。
これが成立する条件は以下のとおりです。
①名詞が2つ並ぶ
②2つめの名詞が動詞の主語である
③動詞の後ろにOが不足している

これを逐一確認することを習慣にすると、あるときにwhichの省略を感覚的に処理することができるようになります。

現在完了形には①完了②経験③継続の3つの用法があります。
どの用法で使われているのかを意識することを習慣にすると、現在完了形への理解度が高まります。
直前期やテスト本番はそんな時間はないかもしれませんが、練習では意識してみましょう。
今回は「never」(回数を表す表現)があるので②経験の用法で使われています。

第3段落

decide to V

decided to join 参加することを決める

decide to V:「Vすることを決める」

S ask 人 to V

classmates asked Wakako to join the group 同級生たちがワカコにそのグループに参加することを求めた。

動詞askの語法です。
「Sが人にVするよう依頼する」という意味になります。
長文で頻出の表現です。

while

接続詞です。
「while S V」で①「SがVしているあいだ」②「SはVだけれども」(逆接⇒対比)
となります。
②が特に重要です。対比構造をつくるので文章の構造を理解する際に重要です。

wonder

「不思議に思う」という意味の動詞です。

同格のカンマ(,)

Momi, one of her close friends 彼女の仲がいい友人の1人であるモミ

といったかたちでカンマの前後が同格の関係(=という記号で結ぶことができる関係)になっています。

why don’t you ~ ?

提案やアドバイスをする際に用いる表現です。

現在完了形

I have already decided to join it. 私はすでにそれに参加することに決めた。

現在完了形には①完了②経験③継続の3つの用法があります。
今回は「already」があるので①完了の用法で使われています。

be sure that SV

「SV」だと確信している、という意味です。
(否定文であれば、「SVであるという確信ができていない」という意味です。)

enjoy Ving

「Vすることを楽しむ」という意味の熟語です。

agree to V

「Vすることに賛成する」という意味の熟語です。
英作文でとても便利な表現です。

第4段落

about

about twenty students 約20人の生徒

副詞のaboutは「約」「およそ」という意味になります。

even

even on weekends   週末にさえ(休日であるはずの週末にさえ学校に登校して作業をしたという文脈)

evenは何かを強調するときに使う表現です。

不定詞の副詞的用法

to make the banner 垂れ幕をつくるために

不定詞の副詞的用法は原則として「目的」を表します。
「~するために」と訳します。

because

因果関係をつくる接続詞です。
「結果 because 原因」となります。

S feel C

Wakako felt nervous ワカコは緊張した

S feel Cは「SはCだと感じた」という意味です。

get ready to V

「Vする準備ができている」という意味の熟語です。

仮定法

I wish I had some close friends here. ここに仲の良い友人がいればなあ(いないのが嫌だ)

仮定法は、事実とは異なる内容について述べることによって事実に対する嘆き・後悔・変えたいという願望などを表現する文法事項です。
長文読解の記事なので詳細には言及しませんが、時制に注意しましょう。

第5段落

need to V/don’t need to V

she didn’t need to worry~ 彼女は~を心配する必要がなかった

need to Vは「Vする必要がある」という意味で、否定文にすると「~する必要はない」となります。
ニュアンスとしては、「~しなきゃいけないと思っているんだろうけど、実際にはそれをしなくても大丈夫だよ。」というものになります。

notice/in trouble

Wakako noticed that Shota was in trouble.  ワカコはショータが困っていることに気づいた。

notice:~に気づく
in trouble:困っている
という意味です。

after a while

「しばらくして」という意味の熟語です。

感情+to V

She was excited to find a solution 彼女は解決策を見つけたので興奮した

感情を表す表現に続くto V(不定詞)は、その感情になった理由を表します。
これは、「都立高校入試英語頻出事項ベスト5」(諏訪調べ)に入るくらい頻出です。
今、必ず覚えてください。

仮定法

If I were a braver, I would help him. もし私がもっと勇敢だったなら、彼を助けることができるのに。(勇気がほしい。)

先ほども述べた通り、仮定法は事実とは異なる内容について述べることによって事実に対する嘆き・後悔・変えたいという願望などを表現する文法事項です。今回もそうなっていることを確認しておいてください。

第6段落

Though SV, S’V’

「SVだけれども、S’V’である」という意味です。
逆接は対比構造をつくります。
読解の際は特にそこに気をつけましょう。

start to V

「Vし始める」という意味です。

in front of A

「Aの前」(人や建物の物理的な位置関係)を表します。

感嘆文

What a strong tiger! なんて強い虎なの!

「What + 形容詞+名詞 + 主語 + 動詞+!」という語順で驚きを表現します。
今回は「主語+動詞」の部分が省略されています。

第7段落

do one’s best

do her best 彼女のベストをつくす

do one’s best:~のベストを尽くす
という意味の熟語です。

admire

「褒める」という意味です。

embarrassed

「恥ずかしい」「気まずい」という意味です。

communicate with A

「Aとコミュニケーションをとる」という意味です。

第8段落

Through A

「Aを通して」という意味で、原因を表すこともできます。

immediately

「すぐに」「直ちに」という意味です。

第9段落

look forward to 名詞

She is looking forward to the sports festival 彼女は運動会を楽しみにしています

「look forward to 名詞」は「~を楽しみにしている」という意味です。

certainly

「確かに」「間違いなく」という意味です。

大問4設問

問1

気持ちを答える問題である⇒傍線部直後に「She was relieved.」(彼女は安心した)がある⇒それがそのまま書いてあるウが正解

問2

仮定法が、「後悔」「嘆き」「現状を変えたい」といった心情を表現する文法事項であることに注意できるかどうかを問うている問題です。
もし私がもっと勇敢だったなら、彼を助けることができるのに
⇒実際には、臆病なせいで彼を助けることができない
⇒それができる勇気がほしい
という流れです。

ということで、正解はイになります。

垂れ幕の絵を改善するために何をしたか
⇒傍線部の3行下に「add shadows to paintings」とあるのでこれを選びます
⇒エが正解です

問3

「At first」(最初は)⇔「later」(後になると)
の対比構造への注目を問う問題です。
主人公であるワカコの、この文章内での変化について答えます。

最初:得意=誰よりも才能があるということを指す
最後:得意=夢中になれるかどうか、楽しめるかどうか
という変化が傍線部の直後から始まる第8段落で書かれています。
これを答えます。
よって、
①はアとウが正解、②はイとウが正解
よって、ウが正解となる。

問4

この問題もワカコの変化に注目させる問題です。
ワカコはシャイでしたが、ショータへのアドバイスをきっかけにして他人と関わるようになりました。
そして、誇りや満足感といった感情を得ていきました。

よって、ア(他のメンバーと話すのを楽しむことができなかった)が間違いです。

問5

内容一致の問題です。

ア:◯
イ:即答した⇒×(wondering how to answer them)
ウ:数ヶ月以上を費やす⇒×(less than a month)
エ:モミは垂れ幕づくりに参加していなかった⇒×(I’ve already decided to join it)
オ:ワカコがアドバイスをすると決めたときに⇒×(Wakako decided to say nothing to Shota)
カ:◯

大問5本文

第1段落

against

「抵抗」「対抗」といったイメージを持つ前置詞です。
前置詞は様々な意味・用法・訳がありますのでまずはそれぞれのイメージを覚えましょう。

because

因果関係をつくる接続詞です。
「結果 because 原因」となります。

関係代名詞whichの省略

the crops (which) we grow 私達が育てている作物

目的格の関係代名詞which(which節の目的語がないもの)は省略が可能です。
これが成立する条件は以下のとおりです。
①名詞が2つ並ぶ
②2つめの名詞が動詞の主語である
③動詞の後ろにOが不足している

これを逐一確認することを習慣にすると、あるときにwhichの省略を感覚的に処理することができるようになります。

Though SV, S’V’

「SVだけれども、S’V’である」という意味です。
逆接は対比構造をつくります。
読解の際は特にそこに気をつけましょう。

thanks to A

「~のおかげで」という意味の熟語です。
因果関係をつくります。
英作文でもとても重宝する表現です。

S lead to A

Sが原因、Aが結果の因果関係を作ります。
読解の際に意識して活用しましょう。

make O C

make farmers sick  農家たちを病気にする

makeの第5文型の用法です。
「S make O C」で「SによってOがCにある」と訳すと自然になることが大半です。

like

insects like bees ハチなどの虫

likeは品詞によって意味が異なります。
①動詞:好き
②前置詞:~のような

②の用法の場合、「such as」のように直後に具体例がくることが多いです。

run off

逃げる、流出する、溶け出すといった意味のある熟語です。
今回は、熟語の知識というより文脈で意味を特定できる感じなのでこの熟語を覚える必要はないと思います。

on the other hand

「一方で」といった意味になり、対比構造をつくります。
ここでは、害虫に対応する方法として「農薬」と「植物自身の対応策」が対比されています。

問いかけ

説明文における問いかけ(疑問文)には「テーマの提示」という役割があります。
文章が何について書かれているのかがわかりますので、これを意識できるとその先の文章を読むスピードを上げることができます。

第2段落

start Ving

「Vし始める」という意味です。
「start to V」も同様です。

不定詞の副詞的用法

produce chemicals to keep the pest away 害虫を遠ざけるために化学物質を生成する

不定詞の副詞的用法は原則として「目的」を表します。
「~するために」と訳します。

release A into B

「AをBへ放つ」という意味です。
こうした、動詞と前置詞の組み合わせで意味を特定できるカタマリを「句動詞」といいます。
これを意識し、長文読解演習の際に目についたものの意味を調べて覚えていくと読解のスピードが格段に速くなります。

as(前置詞)

work as a warning sign 警告としてはたらく

前置詞のasは「~として」と訳すことが多いです。

stop O from Ving

「OがVするのを妨げる/やめさせる」という意味の句動詞です。

be going on

「進行中である」「継続中である」といった意味の熟語です。

第3段落

by+行為者

communication by plants 植物によるコミュニケーション

受け身の文の際、前置詞「by」は「~によって」と訳します。
このときの「by」の用法が受け身以外でも用いられる場合があります。

by Ving

by studying some trees 木を研究することによって

ここでのbyは手段を表しています。

現在完了形

Scientists have discovered … since …     …以来、科学者たちは…を発見し続けてきた

現在完了形には①完了②経験③継続の3つの用法があります。
どの用法で使われているのかを意識することを習慣にすると、現在完了形への理解度が高まります。
直前期やテスト本番はそんな時間はないかもしれませんが、練習では意識してみましょう。
今回は「since」(起点を表す表現)があるので③継続の用法で使われています。

第4段落

such as 名詞

living things such as insects 虫などの生き物

「such as」の直後には具体例がきます。

,so

「原因+so+結果」の形で因果関係をつくります。因果関係は設問に関わってきやすいので、文章を読む際には注意してください。

even

even when the insects are far from them  虫がそれらから遠いところにいるときでさえ

evenは何かを強調するときに使う表現です。
今回は、悪条件下であっても可能であることが強調されています。

like Ving

「Vすることが好き」という意味の熟語です。
英作文で活用しましょう。

第5段落

分詞

the plant attacked by pests 害虫に攻撃された植物

分詞は名詞を説明する役割(形容詞と同じ役割)をします。
名詞の直後にあるVingやVpp(過去分詞)には要注意です。

always

「いつも必ず」という意味です。
「必ず」と言い切るのは、筆者によほどの自信がなければできません。
筆者が自信をもって断言できる内容は文章において重要な役割を果たすことがあります。

第6段落

対義語によってつくられる対比構造

「above the ground」⇔「under the ground」 (地上で⇔地下で)

対比構造は設問を解く際にカギとなるように設計されていることが多いです。
今回も、この対比構造への注目が問4を解く際のカギとなります。

send A to B

「AをBへ送る」という意味の句動詞です。

第4文型

give fungi other kinds of nutrients (菌類に他の種類の栄養素を与える)

第4文型は、
・Vの意味は「与える」
・O1≠O2
・O1に「与える相手」、O2に「与えるモノ・内容」
です。

S allow 人 to V

「Sは人にVすることを許可する」という意味の構文です。
頻出ですので、必ず覚えておきましょう。

第7段落

文末のeither

「~もまた…ではない」という意味です。
否定文で用いる「too」であると考えておくとよいです。

instead

「その代り」という意味で、対比構造をつくります。
先ほども説明した通り、対比構造は設問に活用することが多いです。
今回の対比構造も問5で活用します。

第8段落

a large number of A

「たくさんのA」という意味の熟語です。

S affect O

「SがOに影響を与える」という意味の動詞です。
因果関係を構成することができます。

not only A but also B

「AだけでなくBも」という意味で、ほとんどの場合Bの重要性を読者に伝えるために使われます。

both A and B

「AもBも両方とも」という意味です。

第9段落

the ability to V

「Vすることができる能力」という意味です。
英作文で、テーマによっては非常に重宝する表現となっておりますので覚えておきましょう。

不定詞の形容詞的用法

the wisdom to connect with others 他者とつながるという知恵

不定詞の形容詞的用法とは、「名詞+to V」のかたちで「to V」が直前の名詞を説明しているものを指します。
「something to drink」がもっとも有名な例です。

Now is the time for 人 to V

「今こそ、人がVするチャンスである」という意味です。
筆者が私たちに特に伝えたい内容を述べるときに使います。

大問5設問

問1

指示語thisの具体化をする⇒植物が、(人間とは違って)環境を破壊せずに害虫対策をしていること

このことから、植物の害虫対策の内容について問われていることがわかります。

ア:農薬と同じくらい安全⇒×(「on the other hand」でつくられている対比構造が意識できていない)
イ:安全であることを知らなかった⇒×(存在自体を知らなかった)
ウ:害虫と戦う機会が減った⇒×(そのような記載はない)
エ:◯

問2

「植物による情報伝達」の内容に関する問題です。
傍線部と同じ第3段落に具体的な内容が記されているので、それを踏まえて答えます。

ア:◯
イ:◯
ウ:山火事を感じた植物が発芽しはじめる」⇒×(発芽しはじめるのは他の植物です)
エ:◯

問3

科学者たちが行った実験についての問題です。
傍線部のある第5段落の内容を読み取ればOKです。

ア:「実験を繰り返すうちにほしい結果を得られた」⇒×(ずっと同じ結果)
イ:「アクティブな方法で化学物質を生成する」⇒×(アクティブだと描写されているのは他の生き物との情報伝達における姿勢です)
ウ:◯
エ:「130種類以上のボディーガード」⇒×(130実験の回数)

問4

「above the ground」⇔「under the ground」 (地上で⇔地下で)
の対比構造に注目することで、第6段落にて述べられている、fungiについての内容に関する問題であることがわかります。

ア:「fungiどうしでメッセージを送り合う」⇒×(そういった描写はない)
イ:◯
ウ:「80~90%の情報を」⇒×(「80~90%の植物が…」です)
エ:「植物は栄養をつくりだすことができない」⇒×(それはfungiの特徴です)

問5

insteadがつくる対比構造に注目し、
・「すべての栄養を独り占めする」の反対の内容⇒他の植物へ栄養を送る
・植物どうし助け合う
・地下のネットワークを駆使する
といった内容で書くと判断します。

そうすると国際高校が公表している解答例のような文が書けます。
文法ミスの有無等は必ず誰かに添削してもらって確認してください。

問6

内容一致問題です。

ア:「人間にマイナスの影響は及ぼさない」⇒×(農家を病気にしたりします)
イ:「どの種類の害虫が自分を食べているのかがわかる」⇒×(そういった描写はない)
ウ:◯
エ:「修理に時間はかからない」⇒×(第8段落に修理は難しいと書いてある)
オ:◯
カ:「最初に現れたときに、すでに…」⇒×(多くの困難を生き残ったあとで、と書いてあります)

今回は以上です。
最後までお読みくださり、ありがとうございま

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