都立立川高校普通科推薦入試小論文解説・令和6年度(2024年度)

2024年度(令和6年度)都立立川高校推薦入試小論文解説

都立立川高校普通科の推薦入試小論文では、文章の読解力、論理的思考力、そして探究的な思考力が問われます。
特に、与えられた資料を正しく分析し、自分の考えを論理的に展開する力が求められます。

この記事では、2024年度の都立立川高校普通科推薦入試で出題された小論文問題について詳しく解説します。問題を解いた後に解説を読むことで、より深い理解が得られるので、まずは問題に取り組んでみましょう。

小論文の問題はこちらからご覧ください。

では解説を始めていきます。

第1問

概要

この問題では、探究活動における主題設定、その理由、具体的な調査方法について問われています。
与えられた文章では、研究を進める上で、適切な主題を設定し、調査対象を明確にすることが、実証的な研究につながると述べられています。

特に、直接観察できないものを研究する場合でも、間接的なデータを活用することで検証が可能になることが強調されています。
したがって、設定する主題は、具体的なデータをもとに調査・分析できるものである必要があります。

文章のポイント

  • 調査や観察が可能な対象を明確に設定することが重要である。
  • 直接観察できない事象であっても、間接的なデータを活用することで研究を進めることができる。
  • 抽象的なテーマであっても、具体的なデータを用いた分析によって探究を深めることが可能である。

(1)

解説

この設問では、文章の内容に沿った「日本アニメの外国への影響」に関する適切な主題を設定することが求められています。

主題の条件

  • 「日本アニメの外国への影響」に関するものであること。
  • 具体的に調査可能な内容であること。
  • データの収集や分析が可能な視点を持つこと。

解答例

「日本アニメの海外市場拡大と経済的影響」

(2)

解説

この設問では、(1)で設定した主題を選んだ理由と、その具体的な調査方法を250字以内で説明することが求められています。

解答例

日本アニメは近年、海外市場で急速に拡大して映画や配信サービスなどを通じて経済的な影響を与えている。特に、動画配信サービスの発展により日本アニメが世界中で視聴される機会が増え、その市場規模も拡大している。そのため、この主題を設定した。調査方法は以下の三つ。①海外のアニメファンを対象にアンケートを実施し、アニメや関連グッズの消費を分析する。②動画配信サービスの視聴データを収集し、人気の変遷を調査する。③国内外の経済データや業界レポートを活用して日本アニメの市場規模や関連商品の売上推移を分析する。(248文字)

第2問

概要

この問題では、夏季オリンピックの開催都市に関するデータを分析し、開催地域の変遷やその背景を考察する力が求められます。 図や表を正しく読み取り、時系列の変化や地域別の開催傾向を的確に捉えることが重要です。

注意点

  • 2024年1月に実施された入試のため、2024年のパリオリンピック以降のデータは含まれない。
  • 1956年以前と以後の開催地域の違いに着目し、大陸ごとの傾向を比較することが求められる。
  • 21世紀に開催された大会の大陸別割合を算出する際は、問題文の指示に従い、適切な形式で表現する必要がある。

問1

解説

この問題では、図1を参考に、1956年以前と以後で夏季オリンピックの開催地域がどのように変化したかを分析することが求められています。

ポイント

  • 1956年以前は、西ヨーロッパと北アメリカに開催都市が集中している。
  • 1956年以降は、アジア、オセアニア、南米などにも開催地域が広がり、より多様な地域で開催されるようになった。
  • この変化の背景には、世界的な経済発展や国際的な影響力の変化が関係している可能性がある。

解答例

1956年以前は、西ヨーロッパと北アメリカに集中していたが、1956年以降はアジア、オセアニア、南米でも開催されるようになり、開催地域の多様性が増した。(76文字)

問2

解説

この問題では、21世紀に開催された夏季オリンピックの開催都市を大陸ごとに分類し、その割合を算出することが求められています。

対象となるオリンピック(2001年以降)

  • 2004年 アテネ(ヨーロッパ)
  • 2008年 北京(アジア)
  • 2012年 ロンドン(ヨーロッパ)
  • 2016年 リオデジャネイロ(南北アメリカ)
  • 2021年 東京(アジア)

割合の計算

  • ヨーロッパ:2/5 = 40%
  • アジア:2/5 = 40%
  • 南北アメリカ:1/5 = 20%

ポイント

  • 2000年シドニー大会(オセアニア)は21世紀ではないため含まれない。
  • 2024年パリ大会(ヨーロッパ)は、2024年1月実施の試験時点では未開催のため対象外。
  • 割合を計算し、指定された形式で記述する。

解答

ヨーロッパ大陸40%、アジア大陸40%、南北アメリカ大陸20%。

問3

解説

この問題では、夏季オリンピック開催が経済や国際政治に与える影響を、60字以内で説明することが求められています。

ポイント

  • オリンピック開催国では、経済成長が著しくなる傾向がある。
  • 大会開催に向けた設備投資やインフラ整備が進み、長期的な経済効果を生む。
  • 国際的な注目が集まり、開催国の存在感が増し、国際社会での発言力が向上する。
  • 図2・図3を基に、オリンピック開催国のGDPの伸びを考慮して記述する。

解答例

オリンピックは既に実現した経済成長を国内外に示し、設備投資を促して経済成長を加速させ、開催国の国際的影響力を強める。(58文字)

まとめ

都立立川高校普通科の推薦入試小論文では、探究的思考力、データ分析力、論理的思考力が問われます。
第1問では、研究テーマの適切な設定と調査方法の論理的な説明が求められました。
第2問では、オリンピックの開催データを分析し、時系列や地域的な変化を読み取る力が試されました。

小論文対策として、資料を正確に読み取り、論理的に考察する練習を積むことが重要です。
日頃から新聞や統計データを読み、事実に基づいた文章を書く習慣をつけましょう。

本番でしっかりと実力を発揮できるよう、今回の解説を参考にしながら対策を進めてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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