都立西高校推薦入試小論文解説・平成28年度(2016年度)

2016年度(平成28年度)都立西高校推薦入試小論文解説

この記事では、西高校推薦入試小論文のうち、平成28年度(2016年度)のテーマを解説します。

西高校の小論文は、特定のことばについてあなたが感じ、考えたことを600字以内で述べる問題です。令和3年度以前は「あなたが感じたり思ったりすること」を600字以内で述べなさいという設問でしたが、「思う」が「考える」になったことには、「論理的な思考に基づいて書きなさい」というメッセージが込められていると考えられます。

西高校の小論文は自由度が高く、さまざまなアプローチが可能です。ここで紹介する解説は一例に過ぎませんが、その思考プロセスを参考にすることで、推薦入試本番で何を書くかを考える際の手助けになるでしょう。

それでは、解説を始めます。

今回の「ことば」

平成28年度入試の「ことば」は

「人生には二つの道しかない。一つは、奇跡などまったく存在しないかのように生きること。もう一つは、すべてが奇跡であるかのように生きることだ。」

です。

この言葉は、人生をどう捉えるかという選択肢を提示しています。
人生を無感動にただ淡々と過ごすか、それとも日々の出来事を奇跡と感じ感謝や驚きを持ちながら生きるか。
この言葉は前者の無感動な生き方よりも後者のように日常の中に奇跡を見出すことで、豊かで充実した人生を送ることができるというメッセージを含んでいます。

問題の理解とテーマの解釈

この言葉は、人生の捉え方によって日常が単調なものにも感動や感謝に満ちたものにもなるという考えを表しています。
人生の中で当たり前に思えることも、見方を変えると大きな価値や奇跡に感じられるのです。
中学生としてこのテーマに対してどう感じ、何を考えるかを述べる際には以下のポイントに注意すると良いでしょう。

無感動な生き方と感動的な生き方

一つ目の「奇跡など存在しないかのように生きる」というのは、物事を当たり前に捉え、何も感じずに日々を過ごす生き方です。
反対に「すべてが奇跡であるかのように生きる」とは、日常の小さな出来事にも感謝や感動を覚え、人生の一つ一つの瞬間に価値を見出す生き方です。

奇跡を感じる視点の大切さ

日常に奇跡を見出すことは、どんな小さなことにも意味を見つけ、豊かで前向きな心を育てます。
例えば、何気ない会話や自然の風景に感動することで、日常生活がより充実したものになります。

人生を豊かにする選択

自分自身の視点や心の持ち方次第で、人生の捉え方は大きく変わります。
日常の中に奇跡を見出す生き方を選ぶことで、人生をより豊かに、幸せにすることができるのです。

解答作成のポイント

解答を作成する際には、以下の流れで考えを組み立てると論理的な文章が書けます。

  1. テーマの理解と共感: まず、この言葉の意味や背景について自分なりの理解を示し、共感できる点を述べます。
  2. 具体例の提示: 次に、自分の経験や周囲の出来事から具体例を挙げ、このテーマに関連するエピソードを示します。
  3. 自分の考えの展開: 最後に、具体例を通じて自分が何を学んだか、このテーマをどう捉えているかを述べます。

解答例

「人生には二つの道しかない。一つは、奇跡などまったく存在しないかのように生きること。もう一つは、すべてが奇跡であるかのように生きることだ。」という言葉は、私たちが日常をどのように捉えるかで、人生が大きく変わることを教えています。日々を無感動に過ごすのではなく、日常の中に感謝や感動を見出すことで人生をより豊かにできると感じます。

私も、普段は当たり前に感じていたことを、ふとした瞬間に「奇跡」のように感じた経験があります。例えば、友人と過ごす何気ない日常や、自然の中で感じる風や光景はいつもは気にかけないものかもしれませんが、そこにはかけがえのない瞬間が隠れています。ある日、部活動で仲間と達成感を共有したとき、それまでの努力や時間が「奇跡」であると感じ、日常の中に多くの意味があることを実感しました。また、日常の些細な会話や出来事が、後から振り返るとかけがえのないものであったことに気づくこともあります。

この経験から、日常を奇跡と捉えることが、自分の人生をより豊かにし、感謝の気持ちを育てる大切な視点だと学びました。すべてが当たり前ではなく、特別なものとして捉えることで、私たちの心もより前向きになり、人生を充実させられると思います。これからも、日々の中に奇跡を見つけ、感謝の気持ちを大切にしていきます。小さな出来事にも価値を見出すことで、より豊かな人生を歩むことができると信じています。
(598文字)

解説のまとめ

この問題に対する解答では、人生の捉え方がどれだけ人生に影響を与えるかを具体的に述べることが求められます。
自分の視点次第で日常が感謝や感動に満ちたものになるということを、具体的な経験を通して表現することが大切です。
日々の生活の中で奇跡を感じ、感謝を持ちながら生きることが豊かな人生につながるでしょう。

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