都立西高校推薦入試小論文解説・平成30年度(2018年度)

この記事では、西高校推薦入試小論文のうち平成30年度(2018年度)のテーマを解説します。

西高校の小論文は、特定のことばについてあなたが感じ、考えたことを600字以内で述べる問題です。
令和3年度以前は「あなたが感じたり思ったりすること」を600字以内で述べなさいという設問でしたが、「思う」が「考える」になったことには、「論理的な思考に基づいて書きなさい」というメッセージが込められていると考えられます。

西高校の小論文は自由度が高く、さまざまなアプローチが可能です。
ここで紹介する解説は一例に過ぎませんが、その思考プロセスを参考にすることで、推薦入試本番で何を書くかを考える際の手助けになるでしょう。

それでは、解説を始めます。

今回の「ことば」

平成30年度入試の「ことば」は

「問題を出さないで答えだけを出そうというのは不可能ですね。」

です。

この言葉は、問題の解決において、まず問題そのものを正しく認識しなければ解決策を見つけることができないという意味を持っています。

どんな課題も、まずはその本質を理解し、適切に問題設定を行うことが重要です。

これができなければ、どれだけ答えを求めても、的外れな結果になりかねません。

問題の理解とテーマの解釈

このことばは、答えを求める前に、問題そのものを明確にする必要性を強調しています。
問題を正確に設定することができれば、解決策もより具体的で効果的なものになるという考え方です。
中学生として、このテーマに対してどう感じ、何を考えるかを述べる際には、以下のポイントに注意すると良いでしょう。

問題設定の重要性

問題設定が不十分だと、解決策も効果的でない可能性があります。

しっかりと問題の本質を理解し、何が問われているのかを考えることが解決の第一歩です。

例：日常や学習における問題設定

日常生活や学習においても、まず自分が直面している問題を明確にすることで、どのように対応すればよいかが見えてきます。
例えば、成績が伸び悩むとき、ただ勉強量を増やすだけではなく、どの科目や部分が弱点なのかを見つけることが大切です。

答えの質を高めるためのプロセス

問題を深く掘り下げ、様々な角度から分析することで、答えの質を高めることができます。
このプロセスがなければ、どれだけ努力しても空回りしてしまう可能性があります。

解答作成のポイント

解答を作成する際には、以下の流れで考えを組み立てると論理的な文章が書けます。

1. テーマの理解と共感: まず、この言葉の意味や背景について自分なりの理解を示し、共感できる点を述べます。
2. 具体例の提示: 次に、自分の経験や周囲の出来事から具体例を挙げ、このテーマに関連するエピソードを示します。
3. 自分の考えの展開: 最後に、具体例を通じて自分が何を学んだか、このテーマをどう捉えているかを述べます。

解答例

「問題を出さないで答えだけを出そうというのは不可能ですね。」という言葉には、問題解決においてまず問題そのものを正確に把握する重要性が示されています。どんなに素晴らしい解決策でも、問題を理解せずに答えを求めると的外れになります。問題をしっかり設定することが正しい答えにたどり着くための第一歩です。

私も勉強で成績が伸び悩んでいた時期に、ただ漠然と勉強時間を増やすだけでは効果がなく、どこが理解できていないのか、何が問題なのかを明確にすることが必要でした。具体的には、数学の問題を解いている時に解き方ばかりに目が向き、理解が浅かったことに気づきました。それからは、ただ解答を覚えるのではなく、どこでつまずいているのかを細かく見直し、その原因を探るようにしました。原因が特定できれば、それを解決や改善することで成績が向上しました。

この経験から、問題をしっかりと見つけ出し、それを解決するためのプロセスがどれほど重要かを学びました。問題を正確に設定することで、初めてその答えに価値が生まれるのです。これからも、課題に直面した際には、まずその問題をしっかりと認識し、正確な答えを導けるよう努めたいと思います。また、日常生活や人間関係においても、安易に答えを出すのではなく、まず問題の本質を見極めることが大切です。その結果、より適切で効果的な対応が可能になるでしょう。
（５８１文字）

解説のまとめ

この問題に対する解答では、問題を正確に設定することの重要性とそれが答えの質を左右するという視点を具体的に述べることが求められます。
日常生活や学習においても、まず問題を理解し、それに基づいて解決策を考えることで、より効果的な答えを導くことができます。自分の体験を通じて、問題設定の大切さを実感し、今後の学びに生かしていきましょう。

都立西高校高校の推薦入試に合格するなら自校作成専門対策塾　誠学会

都立西高校の推薦入試における小論文は他の自校作成問題を出す高校とは違い哲学的なテーマとなっており、とても難しいです。具体的な対策が知りたい方は、ぜひ誠学会にお問い合わせくださいませ。