都立西高校推薦入試小論文解説・令和5年度(2023年度)

2023年度(令和5年度)都立西高校推薦入試小論文解説

この記事では西高校推薦入試小論文のうち、令和5年度(2023年度)のテーマを解説します。

西高校の小論文は、特定のことばについてあなたが感じ、考えたことを600字以内で述べる問題です。
令和3年度以前は「あなたが感じたり思ったりすること」を600字以内で述べなさいという設問でした。

「思う」が「考える」になったわけですが、私はここに「論理的な思考に基づいて書きなさい」というメッセージを感じています。

西高校の小論文は自由度がかなり高い問題設定になっています。
私がこれから解説するアプローチはほんの1例に過ぎません。
しかし、その思考プロセスを吸収することは推薦入試本番の小論文で何を書くかを考える際の手助けになると思います。

それでは、解説を始めます。

今回の「ことば」

令和5年度入試の「ことば」は

「木は不幸ではない。冬の木は葉を落として素裸かもしれないけれど、不幸ではあるまい。」

です。

この言葉は、木が冬に葉を落とすという自然の現象を通じて、困難や逆境に対する前向きな捉え方を示しています。
冬の木が葉を落としても、それは春に向けての準備であり不幸ではないという視点を持つことが重要です。

ことばの解釈

このことばは、表面的な困難や逆境に対する捉え方についての深い洞察を提供しています。
冬の木が葉を落とす様子は、一見すると寂しげで不幸に見えるかもしれませんが、実際には春に向けての準備をしている状態です。
これは、人間の人生における一時的な困難や試練に相当し、成長や再生の過程であると捉えることができます。

中学生として、このテーマに対してどう感じ、何を考えるかを述べる際には、以下のポイントに注意すると良いでしょう。

冬の木が象徴するもの

冬の木は、表面的には寂しげに見えるかもしれませんが、それは自然のサイクルの一部です。
春に向けて新たな生命を蓄えている状態であり、これは人間が困難に直面している時期にあたります。

逆境と成長

逆境や困難に直面しても、それを悲観的に捉えるのではなく、成長の機会とすることが大切です。
冬の木が春に向けて力を蓄えるように、人間も困難を乗り越えることで成長することができるのです。

楽観的な視点の重要性

困難な状況を単なる不幸と捉えるのではなく、それを前向きに乗り越える姿勢が重要であるというメッセージがこの言葉には込められています。

解答作成のポイント

解答を作成する際には、以下の流れで考えを組み立てると論理的な文章が書けます。

  1. テーマの理解と共感: まず、この言葉の意味や背景について自分なりの理解を示し、共感できる点を述べます。
  2. 具体例の提示: 次に、自分の経験や周囲の出来事から具体例を挙げ、このテーマに関連するエピソードを示します。
  3. 自分の考えの展開: 最後に、具体例を通じて自分が何を学んだか、このテーマをどう捉えているかを述べます。

解答例

以下に、解答例を示します。

「木は不幸ではない。冬の木は葉を落として素裸かもしれないけれど、不幸ではあるまい。」という言葉には、表面的な困難や逆境に対する前向きな捉え方が込められていると感じます。冬の木が葉を落としている姿は、一見すると寂しげで不幸に見えるかもしれませんが、実際には春に向けて新たな成長の準備をしている状態です。木にとって葉を落とすことは自然の一部であり、再生への過程であるため、不幸とは言えません。

私たち人間も、時には困難な状況に直面し、自分が不幸であると感じることがあります。例えば、私は部活動で怪我をしたことがあり、その時はしばらくの間、練習に参加できずに落ち込んでいました。しかし、その時間を使って体を休めるとともに、戦術を学ぶことで新たな視点を得ることができました。結果として、復帰後には以前よりも技術的に向上し、また、チーム全体を見る目も養われたと感じました。

この経験から、困難な状況にあっても、それを成長の機会として捉えることが重要であると学びました。冬の木が春に向けて力を蓄えるように、私たちもまた、困難な時期を通じて自分を強化し、新たな挑戦に備えることができるのです。不幸と思われる状況であっても、そこには次のステップへの準備が含まれていると考えることで、より豊かな人生を送ることができるのではないでしょうか。

(560字)

560字ですと字数にはまだ余裕があるように感じるかもしれませんが、段落分けをするとなると行の途中で次の行に進むこととなることを考慮してこのくらいの字数にしています。

まとめ

この問題に対する解答では、表面的な困難や逆境をどのように捉え、それを自分の経験や日常生活にどう活かしているかを明確に述べることが求められます。
自分自身の体験をもとに論理的に考えを展開することで、説得力のある解答が書けるでしょう。
また、日々の生活の中で、自分の考えを深めるために時間を取ることが、こうした小論文を書く力を高めることにつながります。

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