都立西高校推薦入試小論文解説・令和6年度(2024年度)

2024年度(令和6年度)都立西高校推薦入試小論文解説

この記事では西高校推薦入試小論文のうち、令和6年度(2024年度)のテーマを解説します。

西高校の小論文は、特定のことばについてあなたが感じ、考えたことを600字以内で述べる問題です。
令和3年度以前は「あなたが感じたり思ったりすること」を600字以内で述べなさいという設問でした。

「思う」が「考える」になったわけですが、私はここに「論理的な思考に基づいて書きなさい」というメッセージを感じています。

西高校の小論文は自由度がかなり高い問題設定になっています。
私がこれから解説するアプローチはほんの1例に過ぎません。
しかし、その思考プロセスを吸収することは推薦入試本番の小論文で何を書くかを考える際の手助けになると思います。

それでは、解説を始めます。

今回の「ことば」

令和6年度入試の「ことば」は

「人はパンのみにて生きるにあらずと言う。いや、パンも味わおうではないか。そして同時に、パンだけでなく、バラももとめよう。」

です。

哲学者の國分功一郎氏が著書『暇と退屈の倫理学』で記したことばとのことです。

問題の理解とテーマの解釈

このことばは、人生において物質的な欲求(パン)だけでなく、精神的な満足(バラ)も追求することの重要性を説いています。
中学生として、このテーマに対してどう感じ、何を考えるかを述べる際には、以下のポイントに注意すると良いでしょう。

パンが象徴するもの

パンは日常生活における必要最低限の物、つまり、衣食住や基本的な生活のためのものを象徴しています。
生きるためには欠かせないものです。

バラが象徴するもの

バラは美や芸術、文化、愛情など、物質的な欲求を超えた精神的な充足感や人生の豊かさを象徴しています。

バランスの大切さ

ただ物質的なものに満足するだけでなく、精神的な豊かさも求めることでより充実した人生が送れるというメッセージが込められています。

解答作成のポイント

解答を作成する際には、次の流れで考えを組み立てると論理的な文章が書けます。

テーマの理解と共感

まず、この言葉の意味や背景について自分なりの理解を示し、共感できる点を述べます。

具体例の提示

次に、自分の経験や周囲の出来事から具体例を挙げ、このテーマに関連するエピソードを示します。

自分の考えの展開

最後に、具体例を通じて自分が何を学んだか、このテーマをどう捉えているかを述べます。

解答例

以下に、解答例を示します。

 「人はパンのみにて生きるにあらずと言う。いや、パンも味わおうではないか。そして同時に、パンだけでなく、バラももとめよう。」という言葉からは、物質的な豊かさと精神的な豊かさの両立の大切さを感じます。
 私たちは日々の生活で、まずは基本的な欲求を満たすことに集中しがちです。食事や睡眠はもちろん重要ですが、それだけでは心が満たされることはありません。
 私自身、テスト勉強に集中するあまり、趣味の時間や友達との交流を後回しにしてしまった経験があります。その結果、成績は向上しましたが、心の充実感は得られず、むしろ疲れを感じるばかりでした。しかし、試験後に好きな本を読み、友達と過ごす時間を持つことで、心がリフレッシュされ、再び前向きに勉強に取り組む意欲が湧いてきました。
 この経験から、生活においては「パン」すなわち物質的な満足も大切ですが、それに加えて「バラ」、つまり精神的な豊かさを求めることが、心のバランスを保つために必要だと実感しました。これからも、物質的な充足と精神的な充足の両方を大切にし、豊かな人生を送っていきたいと考えています。
(579字)

解説のまとめ

この問題に対する解答では、物質的な必要性と精神的な充足のバランスをどのように考え、それを自分の経験や日常生活にどう活かしているかを明確に述べることが求められます。

自分自身の体験をもとに論理的に考えを展開することで、説得力のある解答が書けるでしょう。

また、普段から自分の考えを深めるために、日記をつけたり、好きな本や映画に触れたりすることが、こうした小論文を書く力を高めることにつながります。

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